海外ジャーナルクラブ
2年前
Lutfullinらは、 新たに多発性硬化症 (MS) と診断された患者を対象に、 肥満とMSの重症度の関連を全国縦断コホート研究で検討。 その結果、 MS患者における肥満は、 より高い疾患重症度とより悪い転帰と関連していることが明らかとなった。 本研究は、 J Neurol Neurosurg Psychiatry誌において発表された。
肥満関連研究で抑えておかないといけないのがBMI>30の割合です。 日本は5%、 欧米は30~40%で本研究のドイツは25%です。
肥満はMSの発症リスクを高めると報告されているが、 疾患重症化との関連はほとんど知られていない。
新たにMSと診断された1,066名
🔢EDSSスコア、 再発率、 MRI所見、 免疫療法の選択について、 試験開始時および2年目、 4年目、 6年目に肥満 (BMI≧30kg/m²) 患者と非肥満 (BMI<30kg/m²) 患者で比較し、 個々のBMI値との相関を調べた。
発症時に肥満が有る患者では、 試験開始時および2年、 4年、 6年の追跡調査時にEDSSの障害度が高かった (p<0.001)。
肥満の患者:0.99年
非肥満の患者:1.46年
性別、 年齢、 喫煙を調整後、 6年間でEDSS 3に到達するリスクは、 非肥満の患者と比較して、 肥満の患者で有意に高かった (HR 1.87、 95%CI 1.3-2.6、 log-rank test P<0.001)。 肥満は、 6年間の追跡調査において、 再発率の高さ、 コントラスト増強MRIによる病変数の増加、 MRI T2病変の負荷の増加とは有意な関連はなかった。
新規に診断されたMS患者における肥満は、 より高い疾患重症度とより悪い転帰と関連している。 肥満の管理はMSの臨床転帰を改善する可能性がある。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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