HOKUTO編集部
5ヶ月前

Ⅱ型炎症を有する中等症~重症の慢性閉塞性肺疾患 (COPD) 患者を対象に、 抗IL-4/IL-13抗体デュピルマブの有効性および安全性を評価した第Ⅲ相プラセボ対照二重盲検無作為化比較試験BOREASおよびNOTUSの事後解析の結果から、 同薬により重度増悪のリスクが低減し、 初回重度増悪までの時間が有意に延長した。 英・King’s College LondonのMona Bafadhel氏が発表した。
COPD患者における重度増悪は、 入院や死亡リスクを高め、 医療資源の多大な消費に繋がる。 BOREAS試験およびNOTUS試験では、 既存の吸入療法 (LABA/LAMA/吸入ステロイド[ICS]) にデュピルマブを追加することで中等度~重度の増悪率を低減し、 肺機能およびQOLを改善することが報告されている。 今回、 重度増悪と医療資源利用に焦点を当てた事後解析の結果が発表された。
BOREAS試験およびNOTUS試験の対象は、 40~85歳の中等症~重症COPDで、 2型炎症 (ベースライン血中好酸球数≧300/μL) を有する患者だった。 全例がLABA/LAMA/ICS療法を継続していた。
1,874例が以下の2群に1 : 1で無作為に割り付けられた。
評価項目は、 1回以上の重度増悪の確率と発生率、 重度増悪と救急外来受診の確率、 全身性ステロイド (SCS) 使用期間などだった。
試験期間中に1回以上の重度増悪を経験した患者は、 デュピルマブ群41例 (4.4%)、 プラセボ群60例 (6.4%) であり、 同集団における年齢、 性別などの患者背景は両群でバランスが取れていた。
高用量ICSを使用していたのはデュピルマブ群19.5%/プラセボ群38.3%、 過去1年間の中等度~重度増悪回数 (平均) は2.7回/2.6回、 スクリーニング時の血中好酸球数中央値はそれぞれ370/μL、 300/μLだった。
52週時の重度増悪または救急外来受診の累積発生確率は、 デュピルマブ群が5.7% (95%CI 4.3–7.4%)、 プラセボ群が9.1% (同 7.4–11.2%) で、リスクが45%低減した (HR 0.55 [同 0.38–0.78]、 p=0.0010)。
52週時の重度増悪発生確率は、 デュピルマブ群4.6% (95%CI 3.4–6.2%)、 プラセボ群6.8% (同 5.3–8.7%) で、 デュピルマブは初回の重度増悪発生までの期間を有意に延長し、 重度増悪リスクを39%低減した (HR 0.61 [同 0.41–0.91]、 p=0.016)。
重度増悪または救急外来受診の年間発生率は、 プラセボ群の0.16件/年 (95%CI 0.12–0.22件/年) に対して、 デュピルマブ群が0.10件/年 (同 0.07–0.14件/年) と38%低かった (p=0.0121)。
また重度増悪を起こした患者における経口ステロイド使用期間の中央値は、 プラセボ群の34日に対し、 デュピルマブ群では20日と有意に短縮した (p=0.0126)。
安全性について新たな懸念は認められなかった。
Bafadhel氏は 「2型炎症を有するCOPD患者において、 デュピルマブは疾患負荷や医療資源利用の軽減に寄与する可能性がある」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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