インタビュー
1ヶ月前

誰しも立ち止まり、 迷い、 そして踏み出した人生の瞬間がある。 医師の原点や転換点にフォーカスするインタビュー企画 「Doctor’s Career」。 今回は、さいたま市立病院腫瘍センター科長の関根克敏先生に話を聞いた。 (全3回の第3回)
「国立がんセンター中央病院で任意研修をするまでは、 自分をどう伸ばすかばかり考えていました。 でも、 一人でできることには限界がある。 医療はチームでつくるものだと実感しました」
2017年、 さいたま市立病院に戻ると、 多職種連携をより一層重視するようになり、 患者を中心にした“総合力としての医療”を強く意識するようになった。

数年前からは研修医教育にも深く関わり、 プログラム責任者養成講習会にも参加した。
「講師の先生が“研修医は地域の宝です”と言った言葉が胸に刺さりました。 恥ずかしながら、 それまで研修医を未来の医療を支える存在として見たことがなかった」
この言葉をきっかけに、 若い医師の成長を支えることが、 社会全体の医療を支えることに直結していると考えるようになった。

最も大切にしているのは、 患者との信頼関係だ。
「抗がん剤が効いたかどうかだけでなく、 たとえ効かなくても“ありがとう”と言われる関係を築きたい。 最後まで真摯に向き合う姿勢を大切にしたいと思います」
残された時間をどう過ごすかを一緒に考える場面も多く、 悲しみや怒りを受け止めるには時に大きなエネルギーが必要になる。 患者から 「あと数年は生きたい」 と言われたものの、 むしろ月単位での予後しか残っていない場合、 どのように病状に向き合ってもらうのかーー。
「正直、 答えはありません。 患者さんには何を大切にして自分の人生を全うしてもらうか、 自分たちは医療者として患者さんや家族の想いをどのように支えていけるのか、 考え続けています」
「先生に診察してもらえてよかった」 「この病院に通えてよかった」 と言われると、 本当に救われる気持ちになる。

後輩には、 自身の患者に向き合う姿勢を見てもらいたい。 また、 できるだけ多くの診療科を経験してほしいという。
「遠回りに見えても、 無駄な時間はありません。 僕自身、 迷い続けた経験が今の自分をつくっています。 10年後、 20年後に意味が分かる経験も多い」
自身の歩みを次世代につなぎながら、 チーム医療の未来を支える――それが現在見据える“大切な役割”だ。


編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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