海外ジャーナルクラブ
3ヶ月前
Leeらは、 韓国の診療報酬請求データを使用し、 胃癌に対する胃切除術後5年時点で再発およびその他の癌がない患者を対象に、 術後5年以降の定期的なフォローアップ検診と全生存率および再発後生存率の関連を後ろ向きコホート研究で検討した。 その結果、 術後5年以降の定期的なフォローアップ検診は、 全死亡率の有意な低下、 遅発性再発または残胃癌発生後の再発後生存率の有意な改善と関連していた。 本研究は、 JAMA Surg誌にて発表された。
健康保険請求データ特有のlimitationが、 重症度や分子マーカーが不明な点です。 本研究であれば癌のstageや腫瘍マーカーの値が不明です。
胃癌に対する胃切除後のフォローアップに関する従来の研究やガイドラインでは、 術後5年間に焦点が絞られていることが多い。
そこで本研究では、 胃癌患者における胃切除後5年以降の定期検診と、 全生存率および再発後生存率との関連を評価した。
2005年1月1日~2014年12月31日の韓国における国民健康保険の請求データを使用し、 2021年12月31日までの追跡データを調査した。
胃切除後5年時点で再発や他の癌がない患者4万468例を対象に、 以下の群に割り付けられた。
- 定期的なフォローアップ検診群 : 1万4,294例
- 不定期なフォローアップ検診群 : 2万6,174例
主要評価項目は、 全生存率と再発後生存率とした。
定期的なフォローアップ検診は、 不定期検診群に比較して、全死因死亡率の有意な低下および再発後生存率の有意な改善と関連していた。
15年死亡率
不定期検診群 49.4% vs 定期検診群 36.9%
p<0.001
5年再発後生存率
不定期検診群 71.1% vs 定期検診群 32.7%
p<0.001
検査方法*による比較では、 内視鏡検査と腹部CTを併用した場合に、 最も高い再発後5年生存率を示した。
- 内視鏡検査単独 : 54.5%
- 腹部CT検査単独 : 47.1%
- 内視鏡検査と腹部CT検査の併用 : 74.5%
著者らは 「これらの所見は、 胃切除後5年以降の定期的なフォローアップ検診を継続すべきこと、 また現在の胃癌患者の臨床的なフォローアップについて、 その実践と価値を再考すべきことを示唆している」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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