海外ジャーナルクラブ
2年前
Yamらは、 術前ドキソルビシン+シクロホスファミド (AC) 抵抗性でステージⅠ~Ⅲのトリプルネガティブ乳癌(TNBC)患者を対象に、 第2の術前療法としてのアテゾリズマブとnab-パクリタキセル(PTX)の併用効果を単群第II相試験で検討。 その結果、 病理学的完全奏効率 (pCR) /残存がん負担クラスI (RCB-I) 率が46%と向上し、 新たな安全性シグナルも観察されなかった。 本研究はBreast Cancer Res Treat誌において発表された。
今回の第Ⅱ相試験においてはコントロール群の設定がないのですが、 例えばirAEによるアテゾリズマブ中止が19%認められており、 コントロール群との比較ができれば確かな安全性とともに次のステージの検証に積極的に向かえると思います。
ネオアジュバント抗PD-(L)1療法は非選択性TNBCにおいてpCRを改善するが、 免疫関連有害事象 (irAE) の長期的な罹患の可能性を考慮すると、 薬剤のリスク・ベネフィット比を最適化することが重要である。
ステージI~IIIのAC抵抗性TNBC患者:37例
アテゾリズマブ+nab-PTXの投与
pCR/RCB-I率
pCR/RCB-I率:46%
新たな安全性シグナル:観察されず
irAEによるアテゾリズマブの中止:19% (7例)
本試験は主要評価項目を達成し、 この高リスク集団における有望な活性シグナルを示したことから、 ネオアジュバント免疫療法の利用に対するアプローチを、 ランダム化比較試験でさらに評価することを検討すべきである。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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