【Lancet】片側アルドステロン産生腺腫にEUS-RFAが有望
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海外ジャーナルクラブ

2ヶ月前

【Lancet】片側アルドステロン産生腺腫にEUS-RFAが有望

【Lancet】片側アルドステロン産生腺腫にEUS-RFAが有望
Argentesiらは、 英国の片側アルドステロン産生腺腫 (APA) 患者を対象に、 超音波内視鏡ガイド下ラジオ波焼灼術 (EUS-RFA) の安全性および有効性を評価するため、 前向き多施設共同POC (Proof of Concept) 試験FABULASを実施した。 その結果、 EUS-RFAは副腎全摘術に代わる低侵襲な治療法として安全に施行可能であり、 原発性アルドステロン症 (PA) および高血圧症の治癒に寄与する可能性が示された。 本研究はLancet誌にて発表された。 

📘原著論文

Endoscopic, ultrasound-guided, radiofrequency ablation of aldosterone-producing adenomas (FABULAS): a UK, multicentre, prospective, proof-of-concept trial. Lancet . 2025 Feb 22;405(10479):637-647. PMID: 39929216

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

28症例で大きな合併症はゼロとのことです。 一般化できるかどうかが今後の課題です。

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副腎静脈評価 (LR)

原発性アルドステロン症の局在判定指標

目的

EUS-RFAによる病変部標的治療の安全性を検討

片側APAは高血圧症のおよそ5%を占め、 治癒可能な高血圧の原因の1つとされる。 片側APAに対する現在の標準治療である副腎静脈サンプリング (AVS) による位置特定および腹腔鏡下副腎摘出術は侵襲的であり、 患者にとって負担となる。

一方で、 分子イメージングを用いたEUS-RFAは、 胃に近い左副腎のAPAの治療において、 AVSや副腎全摘術に代わる低侵襲の新規治療法となり得る。

そこで同試験では、 EUS-RFAが副腎の他の部分や隣接臓器を損傷することなく温存し、 病変部のみを標的とできるかどうかを検討した。

研究デザイン

主要評価項目は事前に規定された主要なハザードの検出

英国の3施設において左側APAと診断された18歳以上の患者28例を対象とした。 分子イメージングを2回実施してAPAの診断および位置を特定し、 その後アブレーションを実施した。

主要評価項目は安全性であり、 アブレーション後24時間または48時間における事前に規定された主要なハザードの発生(胃および副腎穿刺: 主要臓器の穿孔、 出血、 または梗塞)の検出だった。

副次的評価項目は有効性であり、 以下により評価された。

  • 3 か月後の分子イメージングで、 アブレーションされたAPAを対側副腎と比較した放射性トレーサー取り込み率の減少
  • 6ヵ月後における生化学的および臨床的成功に関するPASO基準*の達成
*血漿アルドステロン対レニン比および血圧の低下

研究結果

主要なハザードは検出されず

主要評価項目である事前に規定された主要なハザードの発生は検出されなかった。

放射性トレーサー取り込み率減少が生化学的・臨床的治癒と関連

アブレーション後のAPAの放射性トレーサー取り込み率が、 3か月後に対側副腎と比較して減少した。 この減少は、 6か月後の以下の治療効果と関連していた。

  • 完全または部分的な生化学的治癒 : 75% (95%CI 55–91%) 
  • 完全または部分的な高血圧症の臨床的治癒 : 43% (95%CI 24–61%)

また、 分子イメージングでAPAが消失した4例では、 すべての降圧治療を中止した状態での高血圧症の治癒と関連していた。

*収縮期血圧135mmHg未満および拡張期血圧85mmHg未満

結論

左側APAに対してEUS-RFAは副腎全摘術に代わる安全な治療法

著者らは 「EUS-RFAは、 左側APAの治療において副腎全摘術に代わる低侵襲な治療法として安全に施行可能であり、 APAの大部分をアブレーションすればPAおよび高血圧症を完全に治癒できる可能性が示された」 と報告している。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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