海外ジャーナルクラブ
2ヶ月前
Argentesiらは、 英国の片側アルドステロン産生腺腫 (APA) 患者を対象に、 超音波内視鏡ガイド下ラジオ波焼灼術 (EUS-RFA) の安全性および有効性を評価するため、 前向き多施設共同POC (Proof of Concept) 試験FABULASを実施した。 その結果、 EUS-RFAは副腎全摘術に代わる低侵襲な治療法として安全に施行可能であり、 原発性アルドステロン症 (PA) および高血圧症の治癒に寄与する可能性が示された。 本研究はLancet誌にて発表された。
28症例で大きな合併症はゼロとのことです。 一般化できるかどうかが今後の課題です。
片側APAは高血圧症のおよそ5%を占め、 治癒可能な高血圧の原因の1つとされる。 片側APAに対する現在の標準治療である副腎静脈サンプリング (AVS) による位置特定および腹腔鏡下副腎摘出術は侵襲的であり、 患者にとって負担となる。
一方で、 分子イメージングを用いたEUS-RFAは、 胃に近い左副腎のAPAの治療において、 AVSや副腎全摘術に代わる低侵襲の新規治療法となり得る。
そこで同試験では、 EUS-RFAが副腎の他の部分や隣接臓器を損傷することなく温存し、 病変部のみを標的とできるかどうかを検討した。
英国の3施設において左側APAと診断された18歳以上の患者28例を対象とした。 分子イメージングを2回実施してAPAの診断および位置を特定し、 その後アブレーションを実施した。
主要評価項目は安全性であり、 アブレーション後24時間または48時間における事前に規定された主要なハザードの発生(胃および副腎穿刺: 主要臓器の穿孔、 出血、 または梗塞)の検出だった。
副次的評価項目は有効性であり、 以下により評価された。
主要評価項目である事前に規定された主要なハザードの発生は検出されなかった。
アブレーション後のAPAの放射性トレーサー取り込み率が、 3か月後に対側副腎と比較して減少した。 この減少は、 6か月後の以下の治療効果と関連していた。
また、 分子イメージングでAPAが消失した4例では、 すべての降圧治療を中止した状態での高血圧症の治癒と関連していた。
著者らは 「EUS-RFAは、 左側APAの治療において副腎全摘術に代わる低侵襲な治療法として安全に施行可能であり、 APAの大部分をアブレーションすればPAおよび高血圧症を完全に治癒できる可能性が示された」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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