【J Immunother Cancer】標準治療抵抗性のTMB-H固形癌にNivo+IPIで予後改善
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11日前

【J Immunother Cancer】標準治療抵抗性のTMB-H固形癌にNivo+IPIで予後改善

【J Immunother Cancer】標準治療抵抗性のTMB-H固形癌にNivo+IPIで予後改善
Schenkerらは、 腫瘍変異負荷の高い(TMB-H)進行または転移性の固形癌を対象に、 抗PD-1抗体ニボルマブ+抗CTLA-4抗体イピリムマブまたはニボルマブ単剤療法の有効性について、 第Ⅱ相非盲検無作為化比較試験CheckMate 848で検討した。 その結果、 TMBに基づく治療効果の差が明らかとなった。 本研究はJ Immunother Cancerにて発表された。 

📘原著論文

Randomized, open-label, phase 2 study of nivolumab plus ipilimumab or nivolumab monotherapy in patients with advanced or metastatic solid tumors of high tumor mutational burden. J Immunother Cancer. 2024 Aug 6;12(8):e008872. PMID: 39107131

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

TMB-H患者がせいぜい15%程度であるため腫瘍別の研究は難しく、 今回のような固形癌全般研究(pan-tumor study)にならざるをえないのがlimitationです。

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背景

TMB-High例へのNivo+IPIの有効性を検証

免疫チェックポイント阻害薬治療は、 複数の腫瘍型において全生存期間 (OS) の延長効果を示している。

TMBは、 免疫療法に対する反応性を予測するバイオマーカーであり、 本研究では腫瘍組織を基にしたTMB (tTMB) または血中循環腫瘍DNAを基にしたTMB (bTMB) のいずれかを用いて、 TMBの状態に基づいた複数の腫瘍型におけるニボルマブ+イピリムマブ併用の有効性を評価した。

研究デザイン

標準治療に抵抗性のTMB-H固形癌を対象にNivo+IPIとNivo単独で比較

腫瘍組織またはctDNAにおいてTMBが高値*を示し (tTMB-H/bTMB-H)、 過去に免疫療法を受けた経験がなく、 標準治療に抵抗性を示した患者201例を対象とした。

*10mut/MB以上

患者はニボルマブ+イピリムマブ併用療法群またはニボルマブ単剤療法群に2 : 1の割合で無作為に割り付けられた。

tTMBおよびbTMBは、 それぞれFoundation Medicine FoundationOne® CDx試験およびbTMB Clinical Trial Assayにより測定された。

主要評価項目はORR

主要評価項目は、ニボルマブ+イピリムマブを受けたtTMB-HおよびbTMB-H患者における客観的奏効率 (ORR)とした。

有効性基準は、 tTMB-HまたはbTMB-H集団における95%CIの下限が10%を超えることとされた。副次評価項目には安全性などが設定された。

研究結果

ベースライン特性はtTMB-Hが135例、 bTMB-Hが125例であり、 82例がtTMB-H/bTMB-Hの両方に該当した。

併用療法群でORRが改善

tTMB-H例およびbTMB-H例のいずれも、 ニボルマブ+イピリムマブ併用療法群で早期かつ持続的な奏効が示された。

tTMB-H例

- ニボルマブ+イピリムマブ併用療法群 : 38.6%    

 (95%CI 28.4-49.6%)

- ニボルマブ単剤療法群 : 29.8%

 (95%CI 17.3-44.9%)

bTMB-H例

- ニボルマブ+イピリムマブ併用療法群 : 22.5%

 (95%CI 13.9-33.2%)

- ニボルマブ単剤療法群 : 15.6%

 (95%CI 6.5‐29.5%)

安全性プロファイルは管理可能

ニボルマブ+イピリムマブ併用療法の安全性プロファイルは管理可能であり、 新たな安全性シグナルは認められなかった。

結論

Nivo+IPIがTMB-H固形癌への潜在的な治療選択肢に

著者は 「標準治療に抵抗性を示す進行性または転移性のtTMB-H/bTMB-Hの固形癌に対するニボルマブ+イピリムマブは、 ORRの改善および管理可能な安全性プロファイルを伴う臨床的有効性を示した。 組織生検または組織生検が利用不可で血液サンプルによって判定され、 利用可能な治療選択肢がないTMB-Hの一部の患者において、 同併用療法は潜在的な治療選択肢であることを示唆している」 と報告した。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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