【JAMA Oncol】ⅢA/B期NSCLCへのcamrelizumab+化学療法でpCR率が改善
著者

海外ジャーナルクラブ

1年前

【JAMA Oncol】ⅢA/B期NSCLCへのcamrelizumab+化学療法でpCR率が改善

【JAMA Oncol】ⅢA/B期NSCLCへのcamrelizumab+化学療法でpCR率が改善
Leiらは、 切除可能なⅢAまたはⅢB期 (T3N2) 非小細胞肺癌 (NSCLC) の患者を対象に、 術前補助療法としての抗PD-1抗体camrelizumab+化学療法 (nab-パクリタキセル+白金製剤) の有効性と安全性を第Ⅱ相無作為化比較試験で検討。 その結果、 camrelizumab+化学療法は、 化学療法単独群と比較し、 病理学的完全奏効 (pCR) 率を有意に改善することが明らかになった。 本研究は、 JAMA Oncol誌において発表された。

📘原著論文

Neoadjuvant Camrelizumab Plus Platinum-Based Chemotherapy vs Chemotherapy Alone for Chinese Patients With Resectable Stage IIIA or IIIB (T3N2) Non-Small Cell Lung Cancer: The TD-FOREKNOW Randomized Clinical Trial. JAMA Oncol. 2023 Aug 3;e232751. PMID: 37535377

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

観察期間が不十分なために、 大切な生存期間の改善が確認できていないのがlimitationです。 今後の長期間フォロー結果が期待されます。

🔢関連コンテンツ

肺癌のTNM臨床病期分類

肺癌の病期分類 (UICC-8版)

背景

切除可能なⅢAまたはⅢB期のNSCLC患者に対する術前補助療法としてのcamrelizumab+化学療法の効果はいまだ不明である。

研究デザイン

対象

18~70歳で、 切除可能なⅢAまたはⅢB期 (T3N2) NSCLCを有する中国人患者:88例

介入

患者を以下の群に無作為に割り付け。

  • camrelizumab+化学療法併用群:43例
camrelizumab (200mg) +化学療法を3サイクル投与
  • 化学療法単独群:45例
化学療法のみを実施

術前補助療法の4~6週後に手術を行った。

主要評価項目

pCR率

副次評価項目

病理学的著効率 (MPR)、 放射線学的客観的奏効率 (ORR)、 無発症生存期間 (EFS)、 安全性

研究結果

主要評価項目

pCR率

  • camrelizumab+化学療法群:32.6%
  • 化学療法単独群:8.9%
OR 4.95、 95%CI 1.35-22.37、 P=0.008

副次評価項目

MPR率

  • camrelizumab+化学療法群:65.1%
  • 化学療法単独群:15.6%

ORR

  • camrelizumab+化学療法群:72.1%
  • 化学療法単独群:53.3%

EFSおよびDFS

EFSおよびDFSの中央値はいずれの群においても未到達であった。

安全性評価

グレード3以上の有害事象

白血球数減少

  • camrelizumab+化学療法群:14.0%
  • 化学療法単独群:4.4%

好中球数減少

  • camrelizumab+化学療法群:7.0%
  • 化学療法単独群:11.1%

治療関連死亡

治療関連の死亡は報告されなかった。

結論

切除可能なⅢAまたはⅢB期 (T3N2) のNSCLC患者において、 化学療法に対するcamrelizumabの併用投与は、 管理可能な毒性作用でpCR率を有意に改善することが明らかになった。

こちらの記事の監修医師
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
QRコードから
アプリを
ダウンロード!
HOKUTOのロゴ
HOKUTOのロゴ
今すぐ無料ダウンロード!
様々な分野の医師
様々な分野の医師
【JAMA Oncol】ⅢA/B期NSCLCへのcamrelizumab+化学療法でpCR率が改善