HOKUTO編集部
6ヶ月前
2024年9月30日~10月8日に、 HOKUTO医師会員3,302人を対象に、「経口鎮痛薬および鎮咳薬」に関する処方調査を行った。 今回は、 鎮咳薬に関する処方の現況について報告する。
日常臨床においても "最も処方頻度の高い経口鎮咳薬" について確認したところ、 56.0%の医師が中枢性非麻薬性鎮咳薬である 「デキストロメトルファン (メジコン®)」 と回答した。
第2位は 「ジメモルファン (アストミン®)」 で10.2%、 第3位は 「チペピジン (アスベリン®)」 で7.5%となっている。
4位以降には中枢性麻薬性鎮咳薬のリン酸コデイン1.9%や、 合剤 (フスコデ®︎、レスプレン®︎) などが挙げられた。
有効回答数10人以上の診療科別に見ると、 デキストロメトルファン (メジコン®) の処方割合が最も高かったのは糖尿病・代謝・内分泌内科 (74.7%)、 膠原病・リウマチ・アレルギー科 (74.4%)、 呼吸器内科 (71.2%) などであった。
その他、 小児科を除く多くの診療科において高率で選択されており、 鎮咳薬として幅広く普及していることが伺えた。
自由記述形式で聞いた処方理由に関しては、 全般的に 「安全性 (特に副作用、高齢者、腎障害)」 「有効性 (効果持続時間、 鎮咳効果)」 「使い勝手 (OTC、用法用量)」 「認知度 (よく知られた薬剤)」 といった観点での回答が多かった。
経験的によく使用されており使い慣れた薬剤であること、 病院採用薬であるといった意見のほか、 安全性が高く副作用が少ない、 用量調整がしやすい、 効果を実感しやすいなど、 有効性・安全性を評価する声が多数見られた。
アストミン®に関しても症状の改善感が高い、 剤型の選択肢が多く用量調整がしやすい、 禁忌や副作用が少なく使いやすいといった意見が多く見られた。
アスベリン®に関しては小児適応があるという点を処方理由に挙げる医師が多い傾向にあった。 また、 産婦人科などにおいて、 妊婦にも使用可能という点を挙げる声も多かった。 その他、 入手しやすさ、 有効性、 安全性などが処方理由として挙げられた。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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