海外ジャーナルクラブ
1年前
Moらは、 ステージⅠ~Ⅲ大腸癌 (CRC) 患者を対象に、 6種類のDNAメチル化マーカーを用いてて血中循環腫瘍DNA (ctDNA) を測定し、 疾患の経過に伴うctDNAメチル化の縦断的変化と大腸がん再発の関連を多施設前向き縦断コホート研究で検討。 その結果、 ctDNAメチル化の縦断的評価により、 再発の早期発見が可能となり、 CRC患者のリスク層別化と術後治療を最適化できる可能性があることが示唆された。 本研究はJAMA Oncology誌において発表された。
Recurrence-Free Survivalに対するctDNAの単変量と多変量のORが同じ17というのが少し気になりました。 偶然だと思います。 このようなOR>10を超える、 というのは少し特殊な対象群を解析している可能性も否定できず、 中国以外での世界各国での研究結果も期待されます。
微小残存病変 (MRD) の早期発見とリスク層別化は、 癌患者の治療を改善する可能性がある。 そのため、 効率的な実用的検査が必要である。
I~III期のCRC患者:350例
術後1カ月時点で、 ctDNA陽性患者はctDNA陰性患者に比べて17.5倍再発しやすかった。
術後1カ月時点のctDNAの状態は、 異なる期間と強度の術後補助化学療法を受けた患者の予後と強く関連していた。
術後補助化学療法後、 ctDNA陽性患者はctDNA陰性患者に比べ、 無再発生存期間 (RFS) が有意に短かった。
根治的治療後の縦断的なctDNA解析では、 ctDNA陽性患者はctDNA陰性患者よりもRFSが低いという識別効果が示された。
ctDNAの状態が長期に維持されている場合、 その識別効果は高まった
治療後解析では、 放射線学的に確認された再発よりも早くCRCの再発を検出し、 リードタイム中央値は3.3カ月 (IQR 0.5~6.5カ月) であった。
ctDNAメチル化の縦断的評価により、 再発の早期発見が可能となり、 CRC患者のリスク層別化と術後治療を最適化できる可能性があることを示唆している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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