海外ジャーナルクラブ
1年前
Taïebらは、 標準的な1次治療中に進行したミスマッチ修復機構欠損(dMMR)およびマイクロサテライト不安定性 (MSI) を認めかつ遠隔転移を有する大腸癌 (mCRC) 患者を対象に、 抗PD-L1抗体アベルマブの有効性および安全性を標準的2次化学療法を対照として、無増悪生存期間 (PFS) を改善するかを非盲検第II相無作為化比較試験SAMCO-PRODIGE 54で検討。 その結果、 アベルマブは、 標準的2次化学療法に比べてPFSが優れ、 安全性も良好であることが確認された。 本研究はJAMA Oncol誌において発表された。
EVERESTという研究名にこの研究グループの力強さを感じます。 当然ですが、 今まで複数のEVEREST trialが既にありますので注意が必要です。
dMMR/MSIを持つ転移性大腸癌患者の1次治療において、 免疫チェックポイント阻害薬の優越性を示す臨床試験は少ない。
標準的な1次治療中に進行したdMMR/MSI転移性大腸癌患者:122例
患者は以下の群に無作為に割り付け
response evaluation criteria in solid tumours (RECIST) バージョン1.1に基づくPFS
中央値33.3ヵ月(95%CI 28.3-34.8ヵ月) の追跡期間において、 PFS率はアベルマブ群のほうが優れていた (p=0.03)。
12ヵ月時PFS率
18ヵ月時PFS
客観的奏効率は両群で同等であった (p=0.45)。
グレード3以上の治療関連有害事象の発現はアベルマブ群の方が低かった (p=0.02)。
dMMR/MSI大腸癌患者においてアベルマブの使用は、 標準的2次化学療法に比べてPFSが優れ、 安全性プロファイルも良好であることが確認された。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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