海外ジャーナルクラブ
1ヶ月前
Spicerらは、 切除可能な非小細胞肺癌 (NSCLC) を対象に、 抗PD-1抗体ペムブロリズマブの術前化学療法への上乗せ+術後単剤療法による有効性および安全性について第Ⅲ相二重盲検プラセボ対照無作為化比較試験KEYNOTE-671で検証した。 今回は同試験の長期解析結果が報告され、 全生存期間 (OS)の有意な改善が示された。 本研究はLancetにて発表された。
Lancet誌は5大医学雑誌の中で最もインパクトファクターが高いこと(IF=202)、 また唯一民間の出版社が発行している (他の4雑誌は学会か医師会) 点が特徴です。
NSCLC術前+術後でのペムブロリズマブが奏効 : KEYNOTE-671
早期NSCLC、 術前・術後のペムブロリズマブでEFSが改善:KEYNOTE-671
KEYNOTE-671試験の初回中間解析の結果、 術前ペムブロリズマブ+化学療法と術後ペムブロリズマブ療法により、 対象患者の無イベント生存期間 (EFS) が有意に改善した。
本研究では36ヵ月間の追跡結果として、 OSおよび健康関連QOLのアウトカムが報告された。
18歳以上の切除可能なII期、 IIIA期、 またはIIIB期 (N2) の未治療NSCLC患者797例を対象に、以下の2群に1 : 1で無作為に割り付けられた。
主要評価項目はITT集団におけるOS、 EFSだった。 副次評価項目として、 治療関連有害事象と健康関連QOLが評価された。
追跡期間中央値36.6ヵ月におけるOS率は、 ペムブロリズマブ群が71% (95%CI 66-76%)で、 プラセボ群の64% (95%CI 58-69%) に比べて、 有意な改善を示した (HR 0.72 [0.56-0.93]、 p=0.0052)。
OS中央値は、 ペムブロリズマブ群では未到達、 プラセボ群では52.4ヵ月だった。
EFS中央値はペムブロリズマブ群が47.2ヵ月 (95%CI 32.9ヵ月-NR)、 プラセボ群が18.3ヵ月 (95%CI 14.8-22.1ヵ月) で、 OSと同様にペムブロリズマブ群で有意に改善していた (HR 0.59 [0.48-0.72] )。
Grade3以上の治療関連有害事象は、 ペムブロリズマブ群で45%、 プラセボ群で38%に発現した。
著者らは 「早期NSCLCに対する術前・術後のペムブロリズマブの追加投与は、 患者のOSおよびEFSを有意に改善し、 安全性プロファイルも良好な結果を示した。 この結果は、 初回中間解析結果に引き続き、 周術期療法におけるペムブロリズマブの投与を支持するものである」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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