HOKUTO編集部
8日前
ファイザーは5月7日、 PARP阻害薬タラゾパリブ (製品名 ターゼナ®カプセル) について、 「遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌」 に対する製造販売承認事項一部変更申請を行ったと発表した。 タラゾパリブは本邦において、 「BRCA遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌」 を効能・効果として2024年4月に発売されている。 今回の申請は、 特定の遺伝子変異を問わない 「遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺がん」 に適応を拡大することを目的としたものである。
今回の一部変更申請は、 相同組換え修復遺伝子変異を問わない遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌患者を対象とした国際共同第Ⅲ相試験TALAPRO-2における全生存期間 (OS) の最終解析結果などに基づく。
同試験では、 既に主要評価項目である画像診断に基づく無増悪生存期間 (rPFS) において、 タラゾパリブとエンザルタミド併用投与群がプラセボとエンザルタミド併用投与群と比較して有意な延長を示していた。 今回重要な副次評価項目であるOSの最終解析においても有意な延長を示した。
また、 2年の追跡期間中にタラゾパリブとエンザルタミド併用投与群で新たな安全性シグナルは検出されず、 これまでの報告と同様に管理可能な安全性プロファイルが示された。
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【解説】TALAPRO-2試験 OS最終結果:タラゾパリブ+ENZはHRR変異問わず有効か
タラゾパリブは、 DNA修復で重要な役割を果たしているPARP1およびPARP2の強力な阻害薬。 PARP触媒活性の阻害とPARPトラッピングという2つの機序によって、 相同組換え修復または他のDNA修復経路に関与する遺伝子に変異または欠損がある腫瘍細胞で合成致死を誘導する。
非臨床試験の結果から、 PARP阻害薬であるタラゾパリブとアンドロゲン受容体シグナル伝達経路阻害薬であるエンザルタミドを併用投与することで相補的に働き、 相同組換え修復遺伝子変異の有無にかかわらず、 両薬剤に対する癌の感受性が高まると考えられている。
薬剤情報
ターゼナカプセル0.1mg / 0.25mg / 1mg
レジメン
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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