海外ジャーナルクラブ
1年前
Karancsiらは、 乳癌コア針生検で評価された腫瘍間質比 (Tumour-stroma ratio; TSR) が、 どの程度腫瘍全体を代表するものかどうかを検討。 その結果、 TSRはコア針生検でも切除標本でも容易に測定でき、 乳癌のいくつかの臨床病理学的特徴と関連していること、 コア針生検でスコア化されたTSRは、 腫瘍全体を中程度に代表していることなどが示された。 本研究はVirchows Arch誌において発表された。
Textの結論が16行ほど記載されており、 このことからもこれからさらにこの面白いテーマの研究を進めてよりシンプルな真理に近づく必要がありそうです。
TSRは、 いくつかの腫瘍型において重要な予後予測因子である。
腫瘍の91%がホルモン受容体 (HR) 陽性だった
観察者間の一致は、 100倍率で最も高かった (κcore=0.906、 κresection specimen=0.882)。
同一患者のコア針生検と切除標本のTSRの一致度は中程度であった (κ=0.514)。 2種類の検体間の相違は、 TSRスコアが50%カットオフポイントに近い症例で最も多かった。
TSRは、 診断時年齢、 pT分類、 組織型、 組織学的悪性度、 代用分子サブタイプと強い相関があった。
間質高値 (SH) 腫瘍で再発が多い傾向が確認された (P=0.07)。
グレード1のHR陽性乳癌症例において、 TSRと腫瘍再発との間に有意な相関が検出された (P=0.03)。
TSRはコア針生検でも切除標本でも容易に測定でき、 再現性があり、 乳癌のいくつかの臨床病理学的特徴と関連している。 コア針生検でスコア化されたTSRは、 腫瘍全体を中程度に代表している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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