【Virchows Arch】乳癌針生検のTSRが臨床病理学的特徴の把握や再発予測に有効
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海外ジャーナルクラブ

1年前

【Virchows Arch】乳癌針生検のTSRが臨床病理学的特徴の把握や再発予測に有効

【Virchows Arch】乳癌針生検のTSRが臨床病理学的特徴の把握や再発予測に有効
Karancsiらは、 乳癌コア針生検で評価された腫瘍間質比 (Tumour-stroma ratio; TSR) が、 どの程度腫瘍全体を代表するものかどうかを検討。 その結果、 TSRはコア針生検でも切除標本でも容易に測定でき、 乳癌のいくつかの臨床病理学的特徴と関連していること、 コア針生検でスコア化されたTSRは、 腫瘍全体を中程度に代表していることなどが示された。 本研究はVirchows Arch誌において発表された。

📘原著論文

Tumour-stroma ratio (TSR) in breast cancer: comparison of scoring core biopsies versus resection specimens. Virchows Arch. 2023 May 18. PMID: 37198327

👨‍⚕️監修医師のコメント

Textの結論が16行ほど記載されており、 このことからもこれからさらにこの面白いテーマの研究を進めてよりシンプルな真理に近づく必要がありそうです。

🔢関連コンテンツ

乳癌のTNM臨床病期分類

乳腺腫瘍のTNM分類 (UICC-8版)

背景

TSRは、 いくつかの腫瘍型において重要な予後予測因子である。

研究デザイン

方法

  • 178の乳癌コア針生検とそれに対応する切除標本について、 異なるTSRスコアリング法、 その再現性、 およびTSRと臨床病理学的特徴との関連を調査した。
  • TSRは、 最も代表的なH&E染色デジタル化スライドについて、 訓練を受けた2人の科学者が評価した。

研究結果

検出された乳癌のタイプ

腫瘍の91%がホルモン受容体 (HR) 陽性だった

観察者間の一致が高い倍率

観察者間の一致は、 100倍率で最も高かった (κcore=0.906、 κresection specimen=0.882)。

生検と切除標本のTSRの一致度

同一患者のコア針生検と切除標本のTSRの一致度は中程度であった (κ=0.514)。 2種類の検体間の相違は、 TSRスコアが50%カットオフポイントに近い症例で最も多かった。

TSRと強い相関のあるサブタイプ

TSRは、 診断時年齢、 pT分類、 組織型、 組織学的悪性度、 代用分子サブタイプと強い相関があった。

再発の傾向が多い腫瘍

間質高値 (SH) 腫瘍で再発が多い傾向が確認された (P=0.07)。

TSRと腫瘍再発との相関

グレード1のHR陽性乳癌症例において、 TSRと腫瘍再発との間に有意な相関が検出された (P=0.03)。

結論

TSRはコア針生検でも切除標本でも容易に測定でき、 再現性があり、 乳癌のいくつかの臨床病理学的特徴と関連している。 コア針生検でスコア化されたTSRは、 腫瘍全体を中程度に代表している。

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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