HOKUTO編集部
7日前

プラチナ製剤ベース化学療法±免疫チェックポイント阻害薬 (ICI) による1次治療後に再発した小細胞肺癌 (SCLC) 患者を対象に、 B7-H3標的抗体薬物複合体 (ADC) risvutatug rezetecan (Ris-Rez) の安全性・有効性について、 ノギテカン (topotecan) を対照に比較した非盲検第Ⅲ相無作為化比較試験ARTEMIS-008の事前に規定された中間解析の結果が報告された。 その結果、 主要評価項目の全生存期間 (OS) の有意な延長が示された。 中国・National Cancer CenterのJie Wang氏が発表した。
SCLCは急速に再発する悪性度の高い腫瘍で、 2次治療の選択肢は限られる。 そのような中、 SCLCで高発現し、 生存期間の短縮に関連する免疫チェックポイント分子B7-H3が治療標的として注目されてきた。 Ris-RezはB7-H3を標的とする新規トポイソメラーゼI阻害薬 (TOP1i) を搭載した抗体薬物複合体 (ADC) であり、 これまでにARTEMIS-001試験において、 複数の固形癌に対する有効性で有望な結果が示されている。
本試験の対象は、 プラチナ製剤ベースの化学療法±ICIによる1次治療後に再発した18歳以上のSCLCで、 RECIST 1.1に基づく測定可能病変とECOG PS 0/1を有する症例であった。 安定した脳転移例も組み入れ可とした。 461例が以下の2群に1 : 1で無作為に割り付けられた。
主要評価項目はOS、 副次評価項目は無増悪生存期間 (PFS)、 奏効率 (ORR)、 病勢制御率 (DCR)、 奏効期間 (DoR) と安全性であった。 層別化因子は化学療法休薬期間 (90日未満/90日以上)、 ベースライン脳転移の有無、 登録時病期であった。 OSイベントが192件発生した時点での中間解析が事前に予定されており、 今回報告されたのは中間解析の結果である。 データカットオフは2026年6月6日であった。
追跡期間中央値12.2ヵ月時点のOSイベント数はRis-Rez群が77例 (33.5%)、 ノギテカン群が121例 (52.4%) であった。
OS中央値はそれぞれ18.5ヵ月、 10.3ヵ月であり、 ノギテカン群と比べてRis-Rez群で有意な延長が認められた (HR 0.46 [95%CI 0.35–0.62]、 p<0.0001)。 12ヵ月OS率はRis-Rez群が64.5%、 ノギテカン群が43.3%であった。 また、 事前規定の全サブグループで一貫してRis-Rez群における優位性が示された。
盲検下独立中央判定 (BICR) によるPFS中央値は、 Ris-Rez群が7.2ヵ月、 ノギテカン群が3.0ヵ月 (HR 0.33 [95%CI 0.25–0.42])、 担当医判定によるPFS中央値はそれぞれ7.8ヵ月、 4.0ヵ月 (HR 0.35 [95%CI 0.28–0.45]) であり、 いずれもノギテカン群と比べてRis-Rez群で2倍前後の延長が示された。
BICR判定によるORRはRis-Rez群が58.3%、 ノギテカン群が12.6%、 DCRはそれぞれ90.4%、 60.2%、 DoR中央値はそれぞれ6.9ヵ月、 5.6ヵ月であった。
曝露期間中央値はRis-Rez群が6.9ヵ月、 ノギテカン群が2.8ヵ月であった。 Grade≧3の治療関連有害事象 (TRAE) の発生頻度はRis-Rez群が60.9%、 ノギテカン群が78.2%であり、 ノギテカン群と比べてRis-Rez群で低かった。 Ris-Rez群では間質性肺疾患 (ILD) が27例 (11.7%) に発現したが、 Grade 4/5のILDは認められなかった。
Wang氏は、 「ARTEMIS-008試験の結果から、 Ris-Rezは再発SCLCに対する新たな標準治療の候補となり得ることが示された」 と結論。 その上で 「現在進行中の再発SCLCを対象とした国際共同第Ⅲ相試験EMBOLD-SCLC-301や、 再発非扁平上皮非小細胞肺癌 (NSQ-NSCLC) を対象とした中国の第Ⅲ相試験は、 Ris-Rezを肺癌治療で幅広く活用できる可能性をさらに裏付けるものである」 と述べた。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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