HOKUTO編集部
7ヶ月前
未治療で切除不能な局所進行または転移を有する進行胃癌/食道胃接合部 (G/GEJ) 腺癌患者の1次治療において、 PD-1とCTLA-4に対する二重特異性抗体cadonilimab+オキサリプラチン+カペシタビン (XELOX療法)の併用療法の効果を、 プラセボ+XELOXを対照に検証した第Ⅲ相二重盲検無作為化比較試験COMPASSION-15の結果より、 無増悪生存期間 (PFS) と全生存期間(OS)を有意に延長させることが示された。 中国・Beijing Cancer HospitalのJiafu Ji氏が発表した。
抗PD-1抗体+化学療法の併用は、 G/GEJ腺癌の1次治療において効果を示してきたが、 PD-L1が低発現の患者においては生存率に対する効果は限られてきた。 PD-1とCTLA-4の両方を認識する二重特異性抗体であるcadonilimabと化学療法の併用療法は、 第Ib/II相試験(AK104-201、 COMPASSION-3)において、 PD-L1の発現に関わらず腫瘍反応と生存率の改善を認めた。
未治療で切除不能な局所進行または転移を有する18~75歳のG/GEJ腺癌患者 : 610例 (ECOG PS 0~1)
登録患者を以下の2群に1 : 1で割り付けた。
主要評価項目
全患者 (ITT集団) におけるOS
副次的評価項目
CPS≧5の患者におけるOS、 ITTおよびCPS≧5の患者におけるPFS・奏効率(ORR)・病勢コントロール率(DCR)・奏効期間(DoR)、 安全性、 健康関連QOLなど
18.69ヵ月(範囲14.19~19.91ヵ月)
OS中央値(95%CI)
HR 0.62 (0.50-0.78)、 p<0.001
OS率(12ヵ月時、 18ヵ月時)
【PD-L1 CPS≧5の患者におけるOS】
中央値(95%CI)
HR 0.56 (0.39-0.80)、 p<0.001
OS率 (12ヵ月時、 18ヵ月時)
【PD-L1 cps<5の患者におけるOS】
中央値(95%CI)
HR 0.70 (0.51-0.95)、 p=0.011
OS率(12ヵ月時、 18ヵ月時)
【サブグループ解析】
事前に規定された全てのサブグループにおいて、 cadonilimab群のプラセボ群に対する優位性が一貫して認められた。
【ITT患者におけるPFS】
中央値(95%CI)
HR 0.53 (0.44-0.65)、 p<0.001
PFS率(6ヵ月時、 9ヵ月時)
【PD-L1 CPS≧5の患者におけるPFS】
中央値(95%CI)
HR 0.51 (0.37-0.70)、 p<0.001
PFS率(6ヵ月時、 9ヵ月時)
【PD-L1 cps<5患者におけるPFS】
中央値(95%CI)
HR 0.60 (0.45-0.79)、 p<0.001
PFS率 (6ヵ月時、 9ヵ月時)
【ORR(95%CI)】
【DoR中央値(95%CI)】
【有害事象 (AE) 】
Grade3以上の治療関連AEの発現率
治療中断に至った治療関連AE(≧Grade3)発現率
治療関連死亡率
Ji氏らは 「cadonilimabは、 化学療法との併用で、 前治療歴のないG/GEJ腺癌において、 化学療法単独と比較し、 統計学的に有意かつ臨床的に意義のあるOSの改善を示した初めてのPD-1とCTLA-4に対する二重特異性抗体である。 同併用療法は、 特にPD-L1発現が低いG/GEJ腺癌の新たな標準治療となる可能性がある」 と述べた。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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