海外ジャーナルクラブ
9ヶ月前
Dwarkanathらは、 妊娠中の女性を対象に、 カルシウム補充量が妊娠高血圧腎症および早産のリスクに与える影響について、 インドとタンザニアで行われた2件の無作為化比較試験を通じて検討した。 この結果、 妊娠中のカルシウム補充において、 低用量 (500mg/日) は高用量 (1,500mg/日) に対する非劣性を示した。 本研究はNEJM誌に掲載された。
現状のWHOが推奨している3錠のカルシウム製剤は11.5ドルかかるため、 今後1錠となった場合にはコスト軽減が可能になります。
世界保健機関 (WHO) は、 妊娠高血圧腎症のリスク軽減のために、 食事によるカルシウム摂取量が少ない住民集団の妊婦に対し、 1日1,500~2,000mgのカルシウムを3回に分割して補充することを推奨している。 しかし、 この投与法は複雑であるため、 高用量カルシウム補充の実施に際する障壁となっている。
インドおよびタンザニア在住の妊娠中の女性 : 各1.1万例
各対象を以下の2群に1 : 1の割合で無作為に割り付け、 それぞれ独立した試験を実施した
妊娠高血圧腎症発生率、 早産発生率
両試験で低用量群の非劣性が確認された。
インドの試験
相対リスク (RR) 0.84 (95%CI 0.68-1.03)
タンザニアの試験
RR 1.10 (95%CI 0.88-1.36)
インドの試験は非劣性マージン (1.16) 以内であったが、 タンザニアの試験では非劣性マージンを超えていた。
インドの試験
RR 0.89 (95%CI 0.80-0.98)
タンザニアの試験
RR 1.07 (95%CI 0.95-1.21)
早産リスクに関しては、 インドの試験で非劣性が示された一方で、 タンザニアの試験では非劣性は認められなかった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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