胸膜中皮腫・胸腺腫瘍のTNM分類が変更、 肺癌学会が運用で通達
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HOKUTO編集部

3ヶ月前

胸膜中皮腫・胸腺腫瘍のTNM分類が変更、 肺癌学会が運用で通達

胸膜中皮腫・胸腺腫瘍のTNM分類が変更、 肺癌学会が運用で通達
日本肺癌学会は3月25日、 胸膜中皮腫および胸腺腫瘍のTNM分類について、 第9版を用いてデータ整理や症例登録を行うよう、 同学会員に改めて通達した。 

TNM分類の主な変更点

胸膜中皮腫は5点、 胸腺腫瘍は3点

胸膜中皮腫および胸腺腫瘍におけるTNM分類の主な変更点は以下のとおりである。

胸膜中皮腫

① 葉間胸膜が他の胸膜とは別に扱われる

② cT因子のみに、 以下の大幅な改訂がなされた

  • Pleural thickness (胸膜厚)が初めて採用された
  • 第8版でT2とされていた非貫通性横隔膜浸潤および肺実質浸潤、 T3とされていたendothoracic fascia (胸内筋膜)浸潤、 非貫通性浸潤はcT規定因子から除外された

③ pT因子は、 葉間胸膜浸潤をT2とすること以外に変更はなかった。 したがって、 cT因子とpT因子では内容が異なることになった

④ NおよびM因子について変更はなかった

⑤ 病期分類が変更された

胸膜中皮腫のTNM分類の運用について

日本肺癌学会の公式サイトに遷移します

胸腺腫瘍

① T因子 : 胸腺内に限局あるいは、 縦隔脂肪、 胸膜被膜に浸潤しているが、 その他の縦隔構造への直接浸潤はないものをT1とし、 腫瘍径5cm以下をT1a、 5cmを越えるものをT1b とした。 横隔神経・肺浸潤はT3からT2に変更となった

② NおよびM因子について変更はなかった

③ 病期分類 : 第8版TNM⇒stageのロジックに変更はなかった

胸腺腫瘍のTNM分類運用について

日本肺癌学会の公式サイトに遷移します

これまでの経緯

2025年1月からTNM分類第9版使用を同学会はすでに周知

『肺癌取扱い規約』が第9版に改訂出版され、 肺癌において2025年1月からTNM分類第9版を使用することは同学会からすでに周知させており、 National Clinical Database (NCD) 登録も第9版仕様となっている。

また、 『中皮腫取扱い規約 第2版』が2025年2月20日に出版され、 そのなかで、 びまん性胸膜中皮腫のAJCC-TNM分類第9版について解説されている。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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