HOKUTO編集部
1年前
韓国における切除可能な局所進行胃癌患者に対し、 標準治療であるD2リンパ節郭清を伴う胃切除術+S-1による術後補助化学療法への術前DOS (ドセタキセル+オキサリプラチン+S-1) 療法の上乗せ効果を検証した非盲検第Ⅲ相ランダム化比較試験PRODIGYの長期追跡結果から、 術前DOS療法の上乗せは5年全生存期間 (OS) および無増悪生存期間 (PFS) を有意に延長することが認められた。 韓国・University of Ulsan College of MedicineのMin-Hee Ryu氏がASCO Breakthrough 2023で発表した。
PRODIGY試験の主要評価項目である3年時PFSを含む主要解析結果は、 2019年の欧州臨床腫瘍学会 (ESMO 2019) で報告され、 D2手術と術後S-1補助療法に術前DOS療法を上乗せすることで3年PFSの延長が認められた。 同試験の詳細は、 J Clin Oncol 2021; 39に掲載された。
新たに切除可能な局所進行胃癌または食道胃接合部 (GEJ) 癌と診断された韓国人患者
韓国内18施設530例を、 以下の2群に割り付け
今回は、 追跡期間中央値99.5カ月 (範囲68.6-127.4カ月) におけるOSを含む5年間の長期追跡結果が報告された。 解析対象はSC群238例、 CSC群246例だった。
調整HR 0.72、 95%CI 0.54-0.96、 層別化log-rank P値=0.027
調整HR 0.70、 95%CI 0.53-0.94、 層別化log-rank P値=0.016
T4症例ではT2-T3症例と比べて術前DOS上乗せによる著明なOS/PFS延長効果が認められた。
アジア人の切除可能な局所進行胃癌に対し、 術前DOS療法の上乗せは標準治療の一つとなり得る。 特に臨床病期cT4の症例に対しては、術前DOS療法を考慮すべきと考えられる。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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