海外ジャーナルクラブ
2年前
Dillonらは、 初回寛解期の18歳以上の急性骨髄性白血病 (AML) 患者を対象に、 同種造血細胞移植 (HCT) 前のDNAシークエンスにより、 再発リスクの高い患者を特定できるかどうかを後ろ向き観察研究で検討。 その結果、 FLT3内部タンデム重複 (FLT3-ITD) またはNPM1変異体のアレル分率が0.01%以上残存していた場合、 再発率が増加し、 全生存率 (OS) が低下することを明らかとなった。 本研究はJAMA誌において発表された。
本研究のメインである測定可能残存病変 (MRD) に対する次世代シークエンスに関して、 血液サンプルと骨髄でどのような違いがあるかはよくわかっていないようです。
初回寛解期にある成人のAMLの再発予防は、 同種HCTの最も一般的な適応である。 AMLの測定可能残存病変 (MRD) の存在は、 再発率の増加と関連しているが、 検査は標準化されていない。
FLT3、 NPM1、 IDH1、 IDH2、 またはKITの変異に関連するAMLの初回寛解中に最初の同種造血細胞移植を受けた18歳以上の患者。
バンクに保管された移植前寛解期血液サンプルの集中的なDNAシークエンス。
OSと再発率
検査対象患者1,075例のうち、 822例がFLT3内部タンデム重複 (FLT3-ITD) および/またはNPM1変異AMLを有していた。
発見コホートの371例のうち、 移植を受ける前に寛解状態にあった64例 (17.3%) の患者の血中にNPM1および/またはFLT3-ITD変異体が残存しており、 このことは移植後の転帰悪化と関連していた。
2018~19年に移植を受けた検証コホートの451例の患者のうち、 NPM1および/またはFLT3-ITD変異体が残存する78例 (17.3%) は3年後の再発率が高く (68% vs. 21%、 差:47%、 HR 4.32、 P<0.001)、 3年後の生存率が低下した (39% vs. 63%、 差 : -24%、 HR 2.43、 P<0.001)。
同種HCT前の初回寛解期の急性AML患者において、 血中のFLT3内部タンデム重複またはNPM1変異体のアレル分率が0.01%以上の残存は、 再発の増加およびOSの悪化に関連していた。 残存バリアントに対するルーチンのDNAシークエンスが、 AML患者の転帰を改善できるかどうかを判断するには、 さらなる研究が必要である。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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