【NEJM】クロルヘキシジン+ポビドンヨードの除菌で高齢者の感染症関連入院が減少
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1年前

【NEJM】クロルヘキシジン+ポビドンヨードの除菌で高齢者の感染症関連入院が減少

【NEJM】クロルヘキシジン+ポビドンヨードの除菌で高齢者の感染症関連入院が減少
Millerらは、 クロルヘキシジン含有洗浄剤とポビドンヨード含有鼻腔内消毒剤を用いた除菌の有効性を無作為化比較試験で検討した。 その結果、 ナーシングホームにおけるクロルヘキシジンおよびポビドンヨードによる除菌は、 通常ケアよりも感染症による入院のリスクを有意に低下させた。 本研究は、 NEJM誌において発表された。 

📘原著論文

Decolonization in Nursing Homes to Prevent Infection and Hospitalization. N Engl J Med. 2023 Oct 10. PMID: 37815935

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

この研究成果はマーケットに直結する予感があり、 4%クロルヘキシジン含有洗浄剤の人気が高まりそうです。


背景

ナーシングホームの入居者は、 多剤耐性菌による感染や入院のリスクが高い。

研究デザイン

対象

米国カリフォルニア州のナーシングホーム28施設の入居者:2万8,956人

介入

  • 通常ケア群:通常の入浴ケアを継続した。
  • 除菌群:入所時および隔週で5日間、 10%ポビドンヨード含有鼻腔内消毒剤を用いた鼻腔内除菌を1日2回実施。 クロルヘキシジンは入所時と日常のシャワー時に4%クロルヘキシジン含有洗浄剤を使用した。

主要評価項目

感染症による転院

副次評価項目

何らかの理由による転院

研究結果

主要評価項目

感染症による転院は、 通常ケア群の62.2%がベースライン期間中、 62.6%が介入期間中の感染によるものであった。

リスク比 (RR)  1.00、 95%CI 0.96-1.04

除菌群においては62.9%がベースライン期間中、 52.2%が介入期間中の感染によるものであり、 介入によりリスクが減少した。

RR 0.83、 95%CI 0.79-0.88
通常ケアと比較したRRの差:16.6%、 95%CI 11.0-21.8、 p<0.001

副次評価項目

何らかの理由による転院は、 通常ケア群ではベースライン期間中に36.6%、 介入期間中に39.2%発生した。

RR 1.08、 95%CI 1.04-1.12

除菌群においては、 ベースライン期間中に35.5%、 介入期間中に32.4%発生した。

RR 0.92、 95%CI 0.88-0.96
通常ケアと比較したRRの差:14.6%、 95%CI 9.7-19.2

転院を予防するために必要な治療数

感染症による転院を予防するために必要な治療数は9.7件、 何らかの理由による転院を予防するために必要な治療数は8.9件であった。

結論

ナーシングホームにおけるクロルヘキシジンおよびポビドンヨードによる除菌は、 通常ケアよりも感染症による入院のリスクを有意に低下させた。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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