海外ジャーナルクラブ
1年前
Millerらは、 クロルヘキシジン含有洗浄剤とポビドンヨード含有鼻腔内消毒剤を用いた除菌の有効性を無作為化比較試験で検討した。 その結果、 ナーシングホームにおけるクロルヘキシジンおよびポビドンヨードによる除菌は、 通常ケアよりも感染症による入院のリスクを有意に低下させた。 本研究は、 NEJM誌において発表された。
この研究成果はマーケットに直結する予感があり、 4%クロルヘキシジン含有洗浄剤の人気が高まりそうです。
ナーシングホームの入居者は、 多剤耐性菌による感染や入院のリスクが高い。
米国カリフォルニア州のナーシングホーム28施設の入居者:2万8,956人
感染症による転院
何らかの理由による転院
感染症による転院は、 通常ケア群の62.2%がベースライン期間中、 62.6%が介入期間中の感染によるものであった。
リスク比 (RR) 1.00、 95%CI 0.96-1.04
除菌群においては62.9%がベースライン期間中、 52.2%が介入期間中の感染によるものであり、 介入によりリスクが減少した。
RR 0.83、 95%CI 0.79-0.88
通常ケアと比較したRRの差:16.6%、 95%CI 11.0-21.8、 p<0.001
何らかの理由による転院は、 通常ケア群ではベースライン期間中に36.6%、 介入期間中に39.2%発生した。
RR 1.08、 95%CI 1.04-1.12
除菌群においては、 ベースライン期間中に35.5%、 介入期間中に32.4%発生した。
RR 0.92、 95%CI 0.88-0.96
通常ケアと比較したRRの差:14.6%、 95%CI 9.7-19.2
転院を予防するために必要な治療数
感染症による転院を予防するために必要な治療数は9.7件、 何らかの理由による転院を予防するために必要な治療数は8.9件であった。
ナーシングホームにおけるクロルヘキシジンおよびポビドンヨードによる除菌は、 通常ケアよりも感染症による入院のリスクを有意に低下させた。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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