海外ジャーナルクラブ
2年前
Ravaioliらは、 線維化のある非アルコール性脂肪肝炎 (NASH) を非侵襲的に診断するためのFibroScan-AST (FAST) スコアの診断精度について、 系統的レビューとメタ解析を基に評価した。 その結果、 FASTスコアが線維化のあるNASHの非侵襲的診断に良好な性能を有することを示された。 本研究は、 Gut誌において発表された。
非常に診断精度の高いスコアですが、 2型糖尿病と肥満患者には少し精度が劣るようなので注意が必要です。
線維化のあるNASH患者を非侵襲的に診断するために、 肝硬度、 制御減弱パラメータ、 ASTを組み合わせた簡易スコアであるFASTスコアが提案されている。
ルールアウト (≦0.35)、 ルールイン (≧0.67) のカットオフに従って、 線維化のあるNASH患者を特定するためのFASTスコアの感度および特異度を算出するためのデータを報告した原著論文を対象とした (データベース:MEDLINE、 Ovid Embase、 Scopus、 Cochrane Library)
生検で確認されたNAFLDの参加者計5,835名について報告した12の観察研究を対象とした。
線維化のあるNASHの統合された有病率は28%であった (95%CI 21-34%)
統合された感度:89% (95%CI 82-93%)
統合された特異度: 89% (95%CI 83~94%)
陰性的中率:92% (95%CI 91-95%)
陽性的中率:65% (95%CI 53-68%)
サブグループ解析および影響バイアス解析によっても、 これらの結果は変わらなかった。
FASTスコアが線維化のあるNASHの非侵襲的診断に良好な性能を有することを示している。 このスコアは、 肝生検の実施や新しい薬物療法による治療を検討すべき患者を効率的に特定するために使用することができる。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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