【NEJM】vorasidenibがIDH変異陽性神経膠腫のPFS改善
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海外ジャーナルクラブ

1年前

【NEJM】vorasidenibがIDH変異陽性神経膠腫のPFS改善

【NEJM】vorasidenibがIDH変異陽性神経膠腫のPFS改善
Mellinghoffは、 グレード2のイソクエン酸脱水素酵素 (IDH) 変異陽性神経膠腫の患者を対象に、 IDH1/2阻害薬vorasidenibの有効性と安全性を二重盲検第Ⅲ相試験で検討。 その結果、 vorasidenibは無増悪生存期間 (PFS) を有意に改善し、 次の介入までの期間を遅延させた。 本研究はNEJM誌において発表された。 

📘原著論文

Vorasidenib in IDH1- or IDH2-Mutant Low-Grade Glioma. N Engl J Med. 2023 Jun 4. PMID: 37272516

👨‍⚕️監修医師のコメント

overall survivalの研究はongoingとのことですのでその結果を待ちたいと思いいます。 昨今の研究成果はこの形が多いので、 一話完結というよりは面白い映画と同じように続編が期待される研究が増えています。


背景

IDH変異陽性神経膠腫は、 重度の身体障害と早期死亡を引き起こす悪性脳腫瘍である。 IDH1・IDH2阻害薬vorasidenibは、 IDH変異陽性神経膠腫に予備的活性を示した。

研究デザイン

対象

手術以外の治療歴のないグレード2のIDH変異陽性神経膠腫の残存または再発患者

介入

患者を以下の群に無作為に割り付け

  • vorasidenib群:168例
vorasidenib (40mgを1日1回) を28日サイクルで経口投与
  • プラセボ群:163例
プラセボを28日サイクルで経口投与

主要評価項目

独立審査委員会の盲検評価による画像ベースのPFS

副次評価項目

次の抗癌剤介入までの期間

研究結果

主要評価項目

PFSはプラセボ群と比較してvorasidenib群で有意に改善した。

無増悪生存期間中央値

  • vorasidenib群:27.7カ月
  • プラセボ群:11.1カ月
病勢進行または死亡のHR:0.39、 95%CI 0.27-0.56、 P<0.001

副次評価項目

次の抗癌剤介入までの期間は、 プラセボ群と比較してvorasidenib群で有意に改善した。

HR 0.26、 95%CI 0.15-0.43、 P<0.001

安全性評価

グレード3以上の有害事象の発現

  • vorasidenib群:22.8%
  • プラセボ群:13.5%

グレード3以上のアラニンアミノトランスフェラーゼ値の上昇

  • vorasidenib群:9.6%
  • プラセボ群:無し

結論

グレード2のIDH変異陽性神経膠腫患者において、 vorasidenibはPFSを有意に改善し、 次の介入までの期間を遅延させた。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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