海外ジャーナルクラブ
2ヶ月前
Bensimonらは、 筋萎縮性側索硬化症 (ALS) 患者220例を対象に、 リルゾールに低用量インターロイキン2 (IL-2) を上乗せした治療*の有効性および安全性を第Ⅱb相二重盲検無作為化比較試験MIROCALSで検討した。 その結果、 主要評価項目である21ヵ月時点の全生存 (OS) 率について、 予後の共変量で調整した解析では、 低用量IL-2併用群の死亡リスクがプラセボ**と比較して有意に低く (HR 0.32 [95%CI 0.14-0.73]、 p=0.007)、 特に脳脊髄液中リン酸化神経フィラメント重鎖 (CSF-pNFH) 値が750-3,700pg/mLの患者では死亡リスクが48%有意に低下した (HR 0.52 [95%CI 0.30-0.89]、 p=0.016)。 このほか、 低用量IL-2は良好な安全性プロファイルを示し、 制御性T細胞 (Treg) の増加および血漿CCL2の減少も認められた。
リルゾールとの併用による低用量IL-2治療は、 「今後の臨床開発の候補として検討され得る」 と本文の最後に段落を変えて記載されており、 この研究の静かな結語として治療戦略の拡がりを穏やかに示唆しています。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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