海外ジャーナルクラブ
11ヶ月前
Niemann氏らは、 高齢および/または合併症を有する前治療歴のない慢性リンパ性白血病 (CLL) 患者を対象に、 イブルチニブ+ベネトクラクス (IBR+VEN) 併用療法とクロラムブシル+オビヌツズマブ (Clb+O) 併用療法の効果について、 第Ⅲ相多施設共同無作為化比較試験GLOWで比較検討した。 その結果、 IBR+VENはClb+Oに比較して、 46ヵ月後においても優れた無増悪生存期間 (PFS) を示した。 本研究はLancet Oncol誌で発表された。
比較2群でPFSの割合が12ヵ月を超えたあたりで大きく入れ替わるのが本研究のダイナミクスです。 このような研究結果は非常に珍しいので非常に教訓的な研究成果といえます。
CLLの病期分類 (Binet分類) / (改訂Rai分類)
GLOW試験においては、 追跡期間中央値27.7ヵ月の時点で、 高齢および/または合併症のある未治療CLL患者を対象としたIBR+VEN併用療法がClb+O併用療法に比べて優れたPFSを示した。 今回は、 追跡期間中央値46ヵ月の最新結果が報告された。
65歳以上、 または18~64歳で累積疾患評価尺度スコア (CIRS ; cumulative illness rating scale score) が6点以上、 クレアチニンクリアランスが70mL/分未満、 ECOG PSが2以下の未治療CLL患者 : 211例
以下の2群に1 : 1の割合で無作為に割り付けた
ITT集団における無増悪生存期間 (PFS)
IBR+VEN群が依然として優れていた。
HR 0.214 (95%CI 0.138-0.334)、 p<0.0001
一次解析の結果、 Clb+O群の1例に重篤な有害事象として骨髄異形成症候群が認められた。 治療関連死は、 IBR+VEN群1例、 Clb+O群1例で報告された。
4年間の長期成績においても、 IBR+VEN併用療法は前治療歴のないCLL患者においてPFSを有意に延長しており、 第一選択薬としての使用が支持される結果となった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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