HOKUTO編集部
2ヶ月前
2025年3月6~8日に神戸コンベンションセンターで開催された「第22回 日本臨床腫瘍学会学術集会 JSMO 2025」の注目演題ハイライト記事を掲載いたします。
がんゲノム医療では、 遺伝子パネル検査で得られた結果に基づく治療選択肢が保険適用外となることも多く、 保険外併用療養費制度は重要な役割を担う。 制度の現状と課題、 今後の見直しについて、 国立がん研究センター中央病院 企画戦略局の鈴木達也氏が発表した。 (詳細をみる)
本邦の進行非扁平上皮非小細胞肺癌 (NSCLC) 患者を対象に、 バイオマーカー検査の選択がドライバー遺伝子の検出率および臨床転帰に及ぼす影響を評価した後ろ向き多施設共同コホート研究において、 シングルプレックス検査はマルチプレックス検査と比較してEGFR遺伝子変異検出率が高く、 全生存期間 (OS) の有意な延長を示した。 京都府立医科大学の石田真樹氏が発表した。 (詳細をみる)
CRAFITYスコアが2点 (CRP≧1mg/dLかつAFP≧100ng/mL)の肝細胞癌 (HCC) 患者の1次治療におけるチロシンキナーゼ阻害薬レンバチニブ単剤療法と免疫療法の有効性および安全性を、 国内11施設で後方視的に比較した結果、 PFSと病勢制御率がレンバチニブ群で有意に良好であり、 同スコアが1次治療選択において有用なバイオマーカーとなる可能性が示唆された。 京都大学大学院消化器内科学/倉敷中央病院消化器内科の上野真行氏が発表した。 (詳細をみる)
現在、 切除不能胆道癌の1次治療として、 ゲムシタビン+シスプラチン (GC) +免疫チェックポイント阻害薬 (ICI)、 およびGC+S-1 (GCS) の選択が可能である。 これらの治療法について、 国内外を代表する4人の演者と2人の司会が登壇し、 臨床データや実臨床における患者選択の視点から、 多角的な議論が交わされた。 本稿では、 そのディスカッションの主な論点をQ&A形式で整理する。 (詳細をみる)
化学療法未施行の切除不能進行・再発固形癌に対するがん遺伝子パネル検査 (CGP、 FoundationOne® CDx : F1CDx) の有用性を検証した前向き観察研究FIRST-Dx study (先進医療B) について、 京都大学大学院医学研究科腫瘍内科学准教授の松原淳一氏らは、 参加症例を対象とした研究期間後フォローアップ観察研究を実施している。 今回、 その1年中間解析結果から、 標準治療前にCGP検査を実施することにより、 エキスパートパネル (以降、 エキパネ) 推奨治療へのアクセス割合が向上し、 2次治療でのエキパネ推奨治療も有用であることが示唆された。 (詳細をみる)
RAS遺伝子野生型の進行大腸癌 (mCRC) の1次治療におけるm-FOLFOXIRI+抗EGFR抗体セツキシマブ療法の有効性について、 m-FOLFOXIRI+抗VEGF抗体ベバシズマブ療法を対照に検証した第II相無作為化比較試験DEEPER(JACCRO CC-13)の最終解析結果より、RAS/BRAF遺伝子野生型の左側原発巣症例において良好なPFSとOSが示され、 特に肝外転移や男性患者に有効な可能性が示唆された。聖マリアンナ医科大学臨床腫瘍学講座主任教授の砂川優氏が発表した。 (詳細をみる)
エクソン20挿入変異 (Exon20ins) は、 uncommon EGFR遺伝子変異の一つであり、 既存のEGFR-TKI単剤療法の奏効率が低いことが知られている。 EGFR Exon20ins陽性NSCLCの最新知見と今後の課題について、 近畿大学腫瘍内科の谷﨑潤子氏が発表した。 (詳細をみる)
未治療のRET遺伝子変異陽性・進行甲状腺髄様癌 (MTC) 患者を対象に、 RET阻害薬セルペルカチニブの有効性と安全性を、 カボザンチニブまたはバンデタニブ (医師選択治療) と比較したLIBRETTO-531試験の結果、 副次評価項目である全生存期間 (OS) が有意に延長し、 患者報告による忍容性も改善した。 国立がん研究センター東病院頭頸部内科長の田原信氏が発表した。 (詳細をみる)
IB~IIIA期のALK融合遺伝子陽性進行NSCLCを対象に、 術後療法におけるALK阻害薬アレクチニブの有効性と安全性を検証する第Ⅲ相試験ALINAの日本人集団の解析結果が報告され、 全集団と同様のDFSの改善と薬物動態が示された。 国立がん研究センター中央病院呼吸器内科病棟医長の堀之内秀仁氏が発表した。 (詳細をみる)
新たに診断されたフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ALL)の成人患者を対象に、 第3世代BCR::ABL1チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)ポナチニブ+化学療法の有効性・安全性について、 第1世代TKIイマチニブ+化学療法を対照に検証した第Ⅲ相国際共同非盲検無作為化比較試験PhALLCONの探索的解析の結果から、 年齢やBCR::ABL1変異型にかかわらず寛解導入療法終了時点 (EOI) のMRD陰性化率が改善し、 HSCTへの移行率は減少、 PFS中央値は2倍以上に延長したことが示された。 国立がん研究センター東病院血液腫瘍科・科長の南陽介氏が発表した。 (詳細をみる)
各発表(一部演題を除く)はJSMO 2025公式サイトより、オンデマンド配信でもご覧いただけます。
2025年3月6日 (木) ~4月30日 (水)
※ 「教育講演」 のみ3/6から配信開始
それ以外のセッションは、 3月26日に配信開始
日本臨床腫瘍学会に入会を希望される方は、下記より入会手順をご確認の上、手続きをお進めください。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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