【NEJM】リファンピン感受性肺結核、8週間の短期レジメンが標準治療に対し非劣性
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1年前

【NEJM】リファンピン感受性肺結核、8週間の短期レジメンが標準治療に対し非劣性

【NEJM】リファンピン感受性肺結核、8週間の短期レジメンが標準治療に対し非劣性
Patonらは、 リファンピン感受性肺結核患者を対象に、 8週間の短期治療と6カ月の標準治療の効果をアダプティブデザインの非盲検非劣性試験で検討。 その結果、 ベダキリン-リネゾリドによる8週間の短期治療は、 標準治療と比較して非劣性であった。

📘原著論文

Treatment Strategy for Rifampin-Susceptible Tuberculosis.N Engl J Med. 2023 Feb 20. doi: 10.1056/NEJMoa2212537.PMID: 36808186

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

本研究は現在スタンダードとされているレジメンを薬剤を変更したり、 期間を短縮したりして、 最大限のコストベネフィットや治療転帰が得られるかを見直していく大きなきっかけとなる研究です。


背景

結核は通常、 6カ月のリファンピンベースのレジメンで治療される。 初期治療を短縮することで同様の治療成績が得られるかどうかは不明である。

研究結果

対象

リファンピン感受性肺結核患者

介入

患者を以下の群に無作為に割り付け

  • 標準治療群
  • リファンピンとイソニアジドを24週間、 ピラジナミドとエタンブトールを最初の8週間
  • 8週間の短期治療群
  • 臨床症状が持続する場合の延長治療、 治療後のモニタリング、 再発時の再治療を含む非劣性の評価

非劣性の評価

非劣性は、 登録が完了した2つの短期治療レジメングループで評価された。

  • 高用量リファンピン-リネゾリド
  • ベダキリン-リネゾリド
(それぞれイソニアジド、 ピラジナミド、 エタンブトール併用の初期レジメン)

主要評価項目

96週目における死亡、 治療継続、 疾患活動性の複合。

非劣性マージンは12%ポイント

研究結果

主要評価項目事象の発生

  • 標準治療群:3.9% (181名中7名)
  • 高用量リファンピン-リネゾリド群:11.4% (184名中21名)
調整差 7.4%ポイント、 97. 5%CI 1.7-13.2、 非劣性は満たさない
  • ベダキリン-リネゾリド群:5.8%(189名中11名)
調整後差 0.8%ポイント、 97.5%CI -3.4-5.1、 非劣性を満たす

平均総治療期間

  • 標準治療群:180日
  • 高用量リファンピン-リネゾリド群:106日
  • ベダキリン-リゾリド群:85日

有害事象

グレード3または4の有害事象および重篤な有害事象の発生率は、 3群で同程度であった。

結論

8週間のベダキリン-リネゾリドレジメンによる治療は、 臨床結果に関して標準治療と比較して非劣性であった。 また、 この治療法は総治療期間の短縮につながり、 明らかな安全性の懸念はなかった。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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