海外ジャーナルクラブ
2ヶ月前

Yangらは、 再発/転移性上咽頭癌の未治療患者への抗PD-1抗体チスレリズマブ+化学療法について、 プラセボ+化学療法と比較した3年時の有効性・安全性について、 第Ⅲ相試験RATIONALE-309で検証した。 その結果、 無増悪生存期間 (PFS) 中央値はチスレリズマブ群で9.6ヵ月であり、 プラセボ群の7.4ヵ月に比べ、 HRは0.53 (95%CI 0.39-0.71) で有意に延長した。 全生存期間 (OS) 中央値は、 チスレリズマブ群で45.3ヵ月、 プラセボ群で31.8ヵ月であり、 両群間で有意差はなかったが数値的にはチスレリズマブ群で長かった。 なお、 高B細胞発現はより大きなOS改善と関連していた。 試験結果はJAMA Oncol誌に発表された。
アジア地域のみで実施されており、 角化型癌の頻度が高い地域などの他地域への一般化にlimitationがあります。
上咽頭癌はアジアで重要な疾患であり、 特に再発/転移例では治療選択肢が限られる。 そこで本研究では、 再発/転移性上咽頭癌を対象にチスレリズマブ+化学療法の3年時有効性・安全性をプラセボ併用と比較し、 関連バイオマーカーを探索した。
本研究は、 アジアで実施した第Ⅲ相二重盲検プラセボ対照無作為化比較試験 (RATIONALE-309) である。 再発/転移性上咽頭癌の未治療患者を1:1でチスレリズマブ群とプラセボ群に割り付け、 両群にゲムシタビン+シスプラチンを4~6サイクル併用し、 プラセボ群は進行時にクロスオーバーを許容した。
主要評価項目は無増悪生存期間 (PFS) とし、 副次評価項目には全生存期間 (OS)、 次治療後PFS、 安全性が含まれた。
対象の263例 (チスレリズマブ群 : 131例、 プラセボ群 : 132例) を中央値27.5ヵ月追跡した結果、 チスレリズマブ群はプラセボ群に比べ、 PFSを有意に改善した。
PFS (中央値)
HR 0.53 (95%CI 0.39-0.71)
OSについては、 両群間で有意差はなかったもmのの、 クロスオーバー補正後はより大きな生存ベネフィットが示唆された。 さらに、 高B細胞遺伝子発現はより大きなOS改善と関連していた。
OS (中央値)
HR 0.73 (95%CI 0.51-1.05)
OSに対する効果 : クロスオーバー補正解析、 遺伝子発現別解析
グレード3以上の有害事象発現率は同程度であった。 免疫関連有害事象の発現はチスレリズマブ群で高頻度であったが、 大半はグレード1/2であった。
治療関連有害事象
免疫関連有害事象
著者らは、 「チスレリズマブ+化学療法は3年追跡でPFSを持続的に延長し、 臨床的意義のあるOS改善を示したうえで、 安全性も許容範囲内であった。 特に高B細胞発現例でより大きな効果が認められた」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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