HOKUTO編集部
27日前
ローマで開催されたシェーグレン症候群国際シンポジウム2023での国際合意における主要な5つの勧告および合意形成プロセスが、 Nat Rev Rheumatol.2025年6月10日オンライン版で発表され、 「シェーグレン症候群」 から 「シェーグレン病」 への名称変更が確定的となった。
「シェーグレン症候群 (Sjögren syndrome) 」 として広く知られてきた疾患の名称は、 長年にわたり不適切とされてきた。
患者の多くは 「症候群 (syndrome) 」 という用語に対し、 曖昧で漠然とした症状の集合体という印象を抱いている一方で、 本疾患は特徴的な自己抗体、 腺組織病理、 特異的な全身症状パターンを持つ独立した自己免疫疾患として広く認識されている。 このことから米国・Sjögren’s Foundationでは、 「シェーグレン症候群」 の使用を既に廃止している。
また、 「原発性 (primary) 」 および 「続発性 (secondary) 」 という従来の分類の呼称についても、 他の自己免疫疾患の併存を考慮に入れていない表現となっており、 疑問が呈されていた。
文献計量学的分析、 系統的文献レビュー、 専門家と患者代表が対等に参加したDelphi法による合意形成プロセスを経て、 主な勧告として以下の5つが発表された。
「シェーグレン症候群 (Sjögren syndrome) 」 に代わり 「シェーグレン病 (Sjögren disease) 」 を名称として用いる。
「シェーグレン病 (Sjögren disease) 」 の略称として 「SjD」 を用いる。
分類基準を満たす別の全身性自己免疫疾患と併存する場合には、 「続発性 (secondary) 」 ではなく 「関連性 (associated) 」 とする。
臨床診断や日常会話において、 「原発性」 「関連性」 といった分類をしない 「シェーグレン病」 を推奨する。
科学的研究では均質な集団の定義のため、 「原発性」 と 「関連性」 の分類を推奨する。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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