海外ジャーナルクラブ
4ヶ月前

Longらは、 大動脈弁閉鎖不全症 (AR)、 僧帽弁閉鎖不全症 (MR)、 三尖弁閉鎖不全症 (TR) の患者を対象に、 人工知能 (AI) を用いて逆流の重症度を評価し、 さらにMR進行リスクを層別化することを目的とした研究を実施した。 その結果、 AIは心エコー検査に基づく逆流の分類とMR進行予測を高精度に行うことが明らかとなった。 本研究はEur Heart J誌において発表された。
本AIモデルは心エコー画像の質と技師の撮像技術に依存しており、 画像取得過程への介入は不可能であるため、 今後も熟練した検査技師の専門性は不可欠であると言えます。
AR、 MR、 TRの正確な重症度評価と進行リスクの予測は治療方針決定に極めて重要である。 しかし、 心エコーによる評価は観察者間のばらつきが大きく、 またMR進行の予測も既存の臨床因子では不十分である。 この課題を解決するために、 AIを用いた自動評価システムの開発が期待されている。
対象は、 2施設で収集された経胸壁心エコー検査 (TTE) データとカラードプラー動画だった。 AIシステム 「DELINEATE-Regurgitation」 を用いて、 AR、 MR、 TRの重症度を分類し、 「DELINEATE-MR-Progression」 を用いて、 軽度~中等度MR患者の進行リスクを予測した。 評価項目は、 AIと心臓専門医の診断一致率、 AIスコアによるMR進行リスク層別化だった。
7万1,660件のTTEデータと、 120万3,980件のカラードプラー動画が解析された。
マルチビュー解析 (研究内のすべてのカラードップラー動画を用いた手法) を行った場合、 内部/外部検証セットの重み付きκ係数は以下の通りだった。 心臓専門医との 「実質的な一致」 を示し、 マルチビュー解析はシングルビュー解析より優れていることが示された。
AIスコアによるMR進行リスク予測は、 既知の臨床リスク因子で調整した後も独立した予後予測能を示し、 内部検証におけるHRは4.1 (95%CI 2.5-6.6) だった。
著者らは、 「AIを用いた心エコー動画解析により、 AR・MR・TRの重症度を正確に分類でき、 さらに既存の臨床因子を超えてMR進行リスクを予測できることが示された」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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