海外ジャーナルクラブ
7ヶ月前

Jeringらは、 トランスサイレチン型アミロイド心筋症 (ATTR-CM) 患者を対象に、 心エコー指標と主要アウトカムとの関連を調査し、 ブトリシランによる心機能改善が予後改善に寄与するかどうかを評価した。 その結果、 左室および右室の収縮・拡張機能が主要アウトカムと関連することを示した。 その上で、 ブトリシランは左室駆出率 (LVEF) などの指標から心機能低下を抑制し、 これらの指標の悪化が主要アウトカムのリスク上昇と関連していたことも明らかにした。 試験結果はJACC誌に発表された。
欠測データの補完を行っておらず、 18ヵ月時点の追跡画像がある患者のみを対象としているため、 生存バイアスの可能性があります。
トランスサイレチン型アミロイド心筋症 (ATTR-CM) は、 心臓へのトランスサイレチンアミロイド線維の沈着により引き起こされ、 高い罹患率と死亡率を伴う。 RNAi治療薬ブトリシランは、 HELIOS-B (ATTR-CM患者へのブトリシラン評価試験) において、 全死因死亡および心血管イベント再発からなる主要複合アウトカムの発生率を低下させ、 30ヵ月にわたり心構造・心機能に有益な効果を示した。
本研究では、 心構造および心機能に関する心エコー指標と主要アウトカムとの関連を調査し、 ブトリシランによる心構造および心機能の改善が予後と関連しているかを評価する。
HELIOS-Bでは、 ATTR-CM患者655例をブトリシラン群 (25mgを12週毎に皮下注) とプラセボ群に無作為に割り付けた。 心エコー検査はベースライン、 12、 18、 24、 30ヵ月時点で実施した。 ベースラインの心エコー指標と主要アウトカムとの関連は、 年齢、 性別、 病型、 National Amyloidosis Centreステージで調整した修正Andersen-Gillモデルを用いて解析し、 ベースラインでのタファミジス使用および治療群で層別化した。 心機能の変化についてはベースラインから18ヵ月後の変化を治療群間で比較し、 ランドマーク解析によりアウトカムとの関連を評価した。
心エコーデータが得られた654例 (年齢中央値77歳、 男性93%、 野生型ATTR 88%) において、 左室および右室の収縮・拡張機能は主要アウトカムと独立して関連していた。
収縮・拡張機能と主要アウトカムとの関連
18ヵ月後、 ブトリシランは左室および右室の収縮機能低下を抑制した。
ブトリシランによる収縮機能低下抑制 (プラセボ群との最小二乗平均差)
そして、 これらの指標の悪化は主要アウトカムのリスク上昇と関連していた。
著者らは、 「ATTR-CM患者において、 両心室の収縮・拡張機能に関する心エコー指標は、 National Amyloidosis Centreステージ以上の重要な予後情報である。 ブトリシランは拡張機能を改善し、 左室・右室の収縮機能低下を18ヵ月にわたり抑制した。 これによりブトリシランは、 臨床アウトカム改善に部分的に寄与している可能性がある」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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