海外ジャーナルクラブ
11ヶ月前

Castroらは、 2型喘息に対するデュピルマブの効果を二重盲検プラセボ対照第Ⅳ相無作為化比較試験VESTIGEで検討した。 その結果、 デュピルマブにより呼気一酸化窒素 (FeNO) 濃度が低下し、 肺機能と喘息コントロールが改善したことが明らかになった。 試験結果はLancet Respir Med誌に発表された。
この試験は、 ただ臨床転帰を改善したのではなく、 気道炎症と粘液の詰まりを減少させて気道容積・流量を改善し、 肺機能と喘息コントロールを改善した、 と明確にそのプロセスを記載している点で、 素晴らしい研究です。
VESTIGE試験では、 呼吸機能イメージングを用いて、 抗IL-4受容体α抗体デュピルマブによる気道の構造・機能変化と粘液栓塞を検討した。
対象は、 18~70歳で、 中~高用量の吸入ステロイドおよび他のコントローラー薬を併用してもコントロール不良の中等症ないし重症2型喘息 (血中好酸球数≥300/μL、 FeNO濃度≥25ppb) 患者であった。
患者は、 デュピルマブ群 (デュピルマブ300mgを隔週で皮下投与) とプラセボ群 (投与量をマッチさせたプラセボを24週目まで投与) に割り付けられた。
主要評価項目は、 24週時点でFeNO濃度が25ppb未満であった患者割合、 全肺活量における比気道容積 [s]iVaw (肺容積変化を考慮した気道容積の変化) のベースラインから24週までの変化率であり、 intention-to-treat集団で評価された。
副次評価項目は安全性で、 デュピルマブまたはプラセボを1回以上投与した全患者を対象とした。
2020年7月18日~23年1月6日に募集が行われ、 参加者はデュピルマブ群 (72例)、 プラセボ群 (37例) に割り付けられた。 平均年齢は50.4歳 (SD 12.6歳)、 62%が女性であった。
FeNO<25ppb達成率はデュピルマブ群が57%、 プラセボ群が11% (OR 9.8、 95%CI 3.1-30.8、 p<0.001) であり、 デュピルマブ群の方が有意に高かった。
[s]iVawのベースラインから24週目までの最小二乗平均変化率は、 デュピルマブ群で+19.7% (SE 8.1)、 プラセボ群で-2.0% (SE 11.5) であり、 群間差は21.8%㌽ (95%CI -7.7~51.3%㌽、 p=0.14) であった。 [s]iVawの数値的な増加は認められたが、 その差は有意ではなかった。
安全性は、 デュピルマブで報告されている安全性プロファイルと一致していた。 介入に起因する治療緊急有害事象は、 デュピルマブ群の15%、 プラセボ群の11%に報告された。
筆者らは 「デュピルマブは気道炎症と粘液の詰まりを減少させ、 気道容積・流量を改善し、 肺機能と喘息コントロールを改善した。 この研究は、 疾患負荷の評価、 進行のモニタリング、 治療反応の評価に用いる画像技術の可能性を裏付けるものであり、 コントロール不良な中等度ないし重度の2型喘息患者に対する臨床的意思決定の指針となる貴重な知見を提供するものである」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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