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2日前
Márquez-Rodas らは、 抗PD-1療法抵抗性の進行悪性黒色腫に対する合成二本鎖RNAのBO-112+抗PD-1抗体ペムブロリズマブ併用療法の有効性および安全性を第Ⅱ相試験SPOTLIGHT-203で評価した。 その結果、 同併用療法は客観的奏効率 (ORR) 25%を達成し、 管理可能な安全性プロファイルを示した。 本研究はJ Clin Oncol誌に発表された。
JCOのRelevanceでは、 本研究がペムブロリズマブと併用した合成二本鎖RNAの腫瘍内投与により、 非注射病変にも効果を示し、 今後の大規模試験への展開が期待されると述べられています。
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抗PD-1療法抵抗性悪性黒色腫に対する明確な標準治療は現時点で存在しない。 BO-112はポリエチレンイミンでナノ複合化した合成二本鎖RNAであり、 腫瘍内投与により、 固形腫瘍患者においてこの抵抗性を克服する可能性が示されている。
そこで第Ⅱ相試験SPOTLIGHT-203では、 抗PD-1療法抵抗性の進行悪性黒色腫患者を対象に、 BO-112+ペムブロリズマブ併用療法の有効性および安全性を評価した。
抗PD-1療法抵抗性の進行悪性黒色腫患者42例に、 BO-112 (1回最大2mg、 1回の治療で最大8病変) を週1回で7週間、 その後は3週ごとに腫瘍内投与し、 ペムブロリズマブ200mgを3週ごとに静脈投与した。 病勢進行、 許容できない毒性、 死亡のいずれかが発生するまで、 または最長1年間、 治療を継続した。
主要評価項目は修正ITT集団 (評価可能な患者 40例) におけるRECIST 1.1に基づくORRであり、 有効性を示すための閾値として20%が設定された。
主な副次評価項目は、 無増悪生存期間 (PFS)、 全生存期間 (OS)、 奏効持続期間 (DOR)、 および安全性であった。
主要評価項目である修正ITT集団におけるORRは25%であり、 完全奏効 (CR) 率は10%、 部分奏効 (PR) 率は15%、 病勢安定 (SD) 率は40%であった。
DOR中央値は未到達 (95%CI 8.3ヵ月-NR) であった。
ITT集団におけるPFS中央値は3.7ヵ月 (95%CI 2.2-9.2ヵ月)、 OS中央値は未到達 (95%CI 9.9ヵ月-NR) であり、 24ヵ月時点で54%の生存患者がみられた。
Grade 3/4の有害事象が16例 (38.1%) に認められ、 うち4例 (9.5%) は治療関連有害事象 (TRAE) であった。 治療関連死亡の報告はなかった。
著者らは 「本試験は主要評価項目 (ORR) を達成し、 BO-112+ペムブロリズマブ併用療法が、 悪性黒色腫の抗PD-1療法抵抗性を克服する戦略となる可能性を示唆した。 PFSは、 抗PD-1療法抵抗性患者を対象とした他の臨床試験の結果と同程度であり、 OSに関しても有望な結果が得られた」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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