海外ジャーナルクラブ
1日前

van Minnenらは、 体外式膜型人工肺 (ECMO) による体外式生命維持を受ける成人を対象に、 低用量未分画ヘパリン (UFH) および治療用量の低分子量ヘパリン (LMWH) について、 標準用量UFHに対する非劣性を無作為化比較試験 (RATE) で検討した。 その結果、 6ヵ月時点の重度出血・重度血栓塞栓症・全死亡の複合アウトカムにおいて、 両介入とも標準用量UFHに非劣性であった (複合アウトカム : 標準用量UFH群81%、 低用量UFH群72%、 LMWH群75%)。 試験結果はLancet誌に発表された。
非劣性マージンは臨床的判断、 予想されるイベント発生率、 および重症患者を対象とした試験の実施可能性を踏まえて事前に設定されましたが、 非劣性の解釈はマージンだけではなく、 効果量や95%CIを考慮して行う必要があります。
体外式膜型人工肺 (ECMO) による体外式生命維持を受ける患者では、 血栓リスク減少のため、 活性化部分トロンボプラスチン時間 (aPTT) をベースラインの2.0~2.5倍に維持する全用量の静注未分画ヘパリン (UFH) が標準治療とされている。 しかしこの方法は、 低用量UFHと比べて血栓症を減少させず、 出血を増加させる可能性がある。
ECMOにおける抗凝固目標はこれまで十分な検出力を持つ無作為化比較試験で評価されておらず、 目標設定を導く確固たるエビデンスは不足していた。
オランダの7つの集中治療室 (ICU) で実施された非盲検3群無作為化比較試験 (非劣性試験) である。 対象は、 静脈-静脈または静脈-動脈ECMOを受け、 全用量抗凝固の絶対適応 (機械式僧帽弁など) を持たない18歳以上の成人とし、 以下の3群に無作為化した。
主要評価項目*は、 ECMO支援中の重度出血、 重度血栓塞栓症、 または6ヵ月時点の全死亡の複合アウトカムとした。 解析はintention-to-treat (ITT) に基づいて行われた。
320例 (男性70%、 年齢中央値56歳、 白人80%) が6ヵ月時点で解析された。
主要複合アウトカムは、 標準用量UFH群に対し、 低用量UFHおよびLMWHの両介入とも非劣性を示した。
主要複合アウトカム
絶対リスク差 -9.1㌽ (95%CI -20.3~2.1㌽)
絶対リスク差 -6.1㌽ (95%CI -17.2~5.0㌽)
重度出血
重度血栓塞栓症
6ヵ月時点の死亡
著者らは、 「低用量UFHおよび治療用量LMWHは標準用量UFHに非劣性であった。 この結果はECMOにおける抗凝固目標の再考を支持するものであり、 抗凝固目標の引き下げは出血関連の有害事象を大幅に減らせる可能性がある」と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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