海外ジャーナルクラブ
1ヶ月前

Pivonelloらは、 クッシング症候群を有する成人患者を対象に、 選択的グルココルチコイド受容体 (GR) モジュレーターrelacorilantの有効性および安全性を海外多施設共同第Ⅲ相二重盲検プラセボ対照無作為化治療中止試験GRACEで評価した。 その結果、 無作為化治療中止期において、 relacorilantにより高血圧コントロールを喪失した患者の割合が有意に低下した。 本研究はLancet Diabetes Endocrinol誌において発表された。
無作為化治療中止試験 (randomised-withdrawal study) とは、 最初に全員に実薬を投与し、 効果が出た患者だけを 「実薬継続」 か 「中止」 にランダム化する試験デザインのことです。
relacorilantは、 GRにおいてコルチゾールと競合して結合することで過剰なコルチゾール活性を低下させ、 クッシング症候群の臨床症状を軽減するよう設計された選択的GRモジュレーターである。
本研究では、 クッシング症候群を有する成人患者を対象に、 relacorilantの有効性および安全性を第Ⅲ相二重盲検プラセボ対照無作為化治療中止試験GRACEで評価した。
海外11ヵ国77施設で、 高血圧、 高血糖、 またはその両方を有し、 クッシング症候群の臨床症状・徴候を少なくとも2つ有する18~80歳の患者152例を対象に、 22週間の非盲検期では、 relacorilant 1日1回 (100mgから最大400mgまで漸増) を経口投与した。
反応基準を満たした患者62例が、 12週間の無作為化治療中止期において、 以下の2群に1 : 1で無作為に割り付けられた (二重盲検)。
主要評価項目は、 無作為化治療中止期の12週時に高血圧コントロールを喪失した患者の割合であった。 欠測値はノンレスポンダーインピュテーション (NRI) 法で補完した。
relacorilant群30例の平均年齢は46.6歳 (標準偏差 [SD] 11.0歳)、 女性22例 (73%)、 男性8例 (27%)、 プラセボ群32例の平均年齢は48.8歳 (SD 14.4歳)、 女性26例 (81%)、 男性6例 (19%) であった。
ベースラインで高血圧を有していた患者において、 無作為化治療中止期に高血圧コントロールを喪失した割合は、 relacorilant群がプラセボ群と比べて有意に低かった (群間差 34%㌽ [オッズ比 [OR] 0.17 [95%CI 0.04-0.77]、 p=0.022)。
無作為化治療中止期の安全性解析集団において、 relacorilant群およびプラセボ群における主な有害事象 (AE) は、 背部痛 (5例 [17%] vs 6例 [19%])、 ざ瘡 (3例 [10%] vs 0例)、 関節痛 (3例 [10%] vs 3例 [9%])、 滑液包炎 (3例 [10%] vs 0例)、 頭痛 (3例 [10%] vs 4例 [13%])、 不眠 (0例 vs 4例 [13%]) であった。
過度のグルココルチコイド受容体拮抗作用、 副腎機能不全、 子宮内膜肥厚に伴う膣出血、 薬剤誘発性低カリウム血症、 薬剤誘発性QT間隔延長は認められなかった。
著者らは 「relacorilantを投与された患者は、 プラセボを投与された患者と比べて、 高血圧コントロールを維持する可能性が高かった。 本所見は、 クッシング症候群の臨床症状を軽減する治療選択肢として、 relacorilantの検討を支持している」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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