【JAMA Psychiatry】医療従事者のメンタルヘルス改善に週4回20分の運動が有効
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海外ジャーナルクラブ

1年前

【JAMA Psychiatry】医療従事者のメンタルヘルス改善に週4回20分の運動が有効

【JAMA Psychiatry】医療従事者のメンタルヘルス改善に週4回20分の運動が有効
Boucherらは、 COVID-19のパンデミック中に医療従事者のメンタルヘルスが低下していることを受け、 アプリを使った在宅運動プログラムの介入によりメンタルヘルスが改善するかどうかを無作為化臨床試験で検討。 その結果、 運動は医療従事者の抑うつ症状を軽減した一方で、 試験終了まで継続することができた人は少なかったことが示された。 本研究はJAMA Psychiatry誌において発表された。 

📘原著論文

Effects of 12 Weeks of At-Home, Application-Based Exercise on Health Care Workers' Depressive Symptoms, Burnout, and Absenteeism: A Randomized Clinical Trial. JAMA Psychiatry. 2023 Aug 9;e232706.PMID: 37556150

👨‍⚕️監修医師のコメント

4カ月目で継続率が1/4を切っている状況なので、 やはり運動プログラムという介入を考えると最低6カ月後のアウトカムを確認したいところです。


背景

COVID-19のパンデミック中、 医療従事者のメンタルヘルスは著しく低下したとされている。 運動がその改善に有効である可能性が示唆されており、 モバイルアプリケーションを活用することでそれが容易になる可能性がある。

研究デザイン

対象

カナダ・ブリティッシュコロンビア州の医療機関から募集された医療従事者

運動群:142例

対照群 (非運動群):146例

介入

指定のアプリを使い、 自重インターバルトレーニング、 ヨガ、 バー運動など、 週4回20分のセッションを12週間継続

主要評価項目

抑うつ症状の群間差

10項目のCenter for Epidemiological Studies Depression Scale (CESD) で測定

副次評価項目

燃え尽き症候群 (シニシズム、 疲労感、 職業的効力のサブセット) と欠勤率

研究結果

主要評価項目

抑うつ症状に対する運動効果は、 試験終了時 (12週目) において、 小~中程度の効果が認められた (ES -0.41、 95%CI -0.69--0.13)。

副次評価項目

シニシズム (12週目ES -0.33、 95%CI -0.53--0.13) と疲労感 (12週目ES -0.39、 95%CI -0.64--0.14) 、 欠勤率 (r=0.15、 95%CI 0.03-0.26) については、 有意かつ一貫した効果が示された。

運動のアドヒアランス

週80分の運動の継続は、 2週目の54.9% (78例) からから12週目には23.2% (33例) に減少した。

結論

運動は医療従事者の抑うつ症状を軽減したが、 試験終了時まで運動を継続できた人は低かった。 医療従事者のメンタルヘルス改善を維持するためには、 運動プログラムの継続を最適化することが重要な課題である。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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