海外ジャーナルクラブ
6ヶ月前
Giacchettiらは、 高リスク早期乳癌患者を対象に、 術後内分泌療法の摂取時期と無病生存期間 (DFS) との関連について、 第III相前向き無作為化比較試験UNIRADで検討した。 その結果、 タモキシフェンの摂取時期が患者のDFSに影響を及ぼすことが明らかとなった。 本研究では同試験のサブ解析であるホルモン薬内服のタイミングとDFSとの関連が、Ebiomedicineにおいて発表された。
既存のガイドラインに言及のない領域に新たな仮説を生み出す本研究の意義は極めて大きいと言えます。 鋳型研究の意味あいがあり、 他の領域でも同じような研究ができそうです。
概日リズムは細胞生理を制御し、 乳癌における内分泌療法の有効性に影響を及ぼす可能性がある。
ホルモン受容体 (HR) 陽性HER2陰性の高リスク原発性乳癌患者
患者を1 : 1の割合で以下の2群に無作為に割り付けた
無病生存率 (DFS)
内分泌療法の摂取タイミングとDFSとの関連
本研究では、 事前に規定された副次評価項目の観察結果が報告された。
内分泌療法の内服タイミングは対象の1,278例中855例 (67.2%) から記録された。
46.7ヵ月
内分泌療法の内服時期は、 全集団においてDFSと関連しなかった。
HR 0.77 (95%CI 0.53-1.12)
層別化因子別に見た内服時期とDFSの関連
ホルモン薬 (タモキシフェン vs アロマターゼ阻害薬 [AI])との相互作用が認められた。
HR 0.43 (95%CI 0.22-0.85)
HR 1.07 (同0.68-1.69)
多変量解析の結果
年齢、 腫瘍径 (T2 vs T3-4)、 リンパ節転移 (1-3N+ vs ≧4Nまたは術前療法後1N+)、 内分泌療法の内服時期、 タモキシフェンがDFSの独立した因子であった。
さらに、タモキシフェン群で多変量解析した結果、内服時期がDFSと関連する唯一の因子として同定された。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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