【Cancer Res Commun】虫垂腺癌でも 「アテゾリズマブ+ベバシズマブ」 は有効?
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海外ジャーナルクラブ

4ヶ月前

【Cancer Res Commun】虫垂腺癌でも 「アテゾリズマブ+ベバシズマブ」 は有効?

【Cancer Res Commun】虫垂腺癌でも 「アテゾリズマブ+ベバシズマブ」 は有効?
Hornsteinらは、 虫垂腺癌の患者を対象に、 アテゾリズマブ (Atezo) とベバシズマブ (Bev) の併用療法の有効性を前向き単群第II相試験で検討した。 その結果、 Atezo+Bevは治療選択肢として期待できると考えられた。 本研究はCancer Res Communにおいて発表された。 

📘原著論文

Efficacy and Safety of Atezolizumab and Bevacizumab in Appendiceal Adenocarcinoma. Cancer Res Commun. 2024 May 29;4(5):1363-1368. PMID: 38709066

👨‍⚕HOKUTO監修医コメント

本研究ではグレードと前治療の回数に基づく層別化がなされていないため、 Efficacyというよりはreal worldのEffectivenessの方が表現としては近いと思います。

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選択肢が限られる虫垂腺癌の治療

虫垂腺癌は希少疾患であり、 外科的切除が不可能な患者では治療選択肢が限られている。 同試験では、他の癌における抗PD‐L1抗体と抗VEGF抗体の併用の有効性を示すエビデンスに基づき、 虫垂腺癌でも同様の有効性が期待できると仮定して、 AtezoとBevの併用療法の有効性などについて評価した。

主要評価はORR

対象

切除不能な進行虫垂腺癌患者 : 16例

方法

第Ⅱ相、 前向き非盲検単群試験。

AtezoとBevを、21日を1サイクルとして投与

Atezo : 840mg i.v. Bev : 15 mg/kg i.v.

評価項目

主要評価項目

  • 全奏効率率 (ORR)

主要な副次評価項目

  • 病勢コントロール率 (DCR)
  • 無増悪生存期間 (PFS)
  • 全生存期間 (OS)

ORRは低率だが、DCRは100%でPFSも改善

ORR

6.25% (部分奏効1例)

DCR

100% (部分奏効1例、 病勢安定15例)

PFS中央値

  • Atezo+Bev : 18.3ヵ月
95%CI 8.9–29.5ヵ月
  • 合成対照コホート : 4.4ヵ月
95%CI 3.1-12.2ヵ月
HR=1.9 (p=0.041) 

OS

未到達

追跡期間中央値 : 40ヵ月

Atezo/Bevは期待できる治療選択肢

著者らは「Atezo+Bevは、 切除不能な虫垂腺癌の治療選択肢として期待できるが、 さらなる研究が必要である」と考察している。

研究の限界

  • 単群で対照群がない
  • 被験者が16例と少ない

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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