海外ジャーナルクラブ
1年前
Louvetらは、 重症アルコール関連肝炎の患者を対象に、 アモキシシリン・クラブラン酸の有効性を多施設共同二重盲検プラセボ対照ランダム化比較試験で検討。 その結果、 アモキシシリン・クラブラン酸とプレドニゾロンの併用は、 プレドニゾロン単独と比較して60日生存率を改善しなかった。 本研究はJAMA誌において発表された。
予防的抗菌薬投与してそれで安心、 というよりもまず重症アルコール性肝炎の入院患者には感染症を評価して、 感染症が特定されればしっかり治療することが重要、 ということでしょう。
重症アルコール性肝炎の入院患者に対する予防的な抗菌薬投与の有益性は不明である。
重症アルコール関連肝炎 (マドレー機能スコア≧32、 MELDスコア≧21) の患者:292例
患者を以下の2群に1:1でランダムに割り付け。
アモキシシリン・クラブラン酸+プレドニゾロン併用投与群:145例
プラセボ+プレドニゾロン併用投与群:147例
60日後の死亡率に両群間の有意差はなかった。
60日後の感染率は、 アモキシシリン・クラブラン酸塩群で有意に低かった。
残りの3つの副次評価項目には、 いずれも有意差はなかった。
肝不全
感染症
胃腸障害
重症アルコール性肝炎で入院した患者において、 アモキシシリン・クラブラン酸とプレドニゾロンの併用は、 プレドニゾロン単独と比較して60日生存率を改善しなかった。 これらの結果は、 重症アルコール関連肝炎で入院した患者の生存率を改善するための予防的な抗菌薬の投与を支持するものではない。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。