海外ジャーナルクラブ
1年前

Berton Giachettiらは、 ホルモン受容体 (HR) 陽性HER2陰性転移性乳癌の患者を対象に、 内分泌療法 (ET) +CDK4/6阻害薬治療後の無増悪生存期間 (PFS) と全生存期間 (OS) を多施設共同後ろ向きコホート研究で検討した。 その結果、 CDK4/6阻害薬治療期間と内臓転移の有無が予後に影響を及ぼすことが明らかとなった。 研究結果はJAMA Netw Open誌で発表された。
JAMA New OpenはJAMA雑誌系ですが、 limitationの強い研究が掲載されているため、 仮説の提唱程度に留めておくことが肝要です。
HR+HER2-高リスク早期乳癌へのエベロリムス追加は有益性示さず
ホルモン受容体 (HR) 陽性HER2陰性転移性乳癌に対しては、 ET+CDK4/6阻害薬療法が標準的な1次治療であるが、 増悪後の最適な治療法はいまだ不明である。
同研究は、 ET+CDK4/6阻害薬療法後の転帰 (実臨床でのPFSとOS) に影響を及ぼす因子を評価することを目的とした。
HR陽性HER2陰性転移性乳癌の診断を受け、 ET+CDK4/6阻害薬治療中に病勢進行を認めた乳癌患者506例を対象に臨床経過を調査した。
主要評価項目はPFS、 副次評価項目はOSとし、 PFS・OSと臨床経過との関連性を調査した。
PFSは、 内臓転移 (HR 1.45、 95%CI 1.17-1.80、 p=0.008) およびde novo転移 (HR 1.25、 95%CI 1.01-1.54、 p=0.04) があると短縮し、 一方で高齢の患者ほどPFSが良好になる傾向を認めた (HR 0.99、 95%CI 0.98-1.00、 p=0.03)。
後治療の内容別では、 以下の治療に、経口化学療法と比較してPFS短縮との有意な関連が認められた。
OSは、 CDK4/6阻害薬治療期間が12ヵ月を超える場合に有意な改善が認められた (HR 0.55、 95%CI 0.41-0.73、 p<0.001)。
このほか、 内臓転移のある患者では、 静注化学療法は経口化学療法と比較して有意に予後不良であった (HR 1.52、 95%CI 1.03-2.24、 p=0.04)。
著者らは、 「CDK4/6阻害薬による病勢制御期間と内臓転移の有無は、 後治療選択の重要な指標となる。 経口化学療法は、 特定の患者群で有効な治療選択肢となる可能性がある」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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