海外ジャーナルクラブ
3ヶ月前
Guglielmettiらは、 フルオロキノロン感受性リファンピシン耐性結核患者を対象に、 より短期間の全経口治療レジメンの有効性を、 第Ⅲ相非盲検非劣性無作為化比較試験で検討した。 その結果、 3種類のレジメンで非劣性が示された。 本研究はNEJM誌にて発表された。
Modified intention-to-treat populationとper-protocol populationで治療効果が大きく異なっている点は注目です。
リファンピシン耐性結核の治療は、 長年にわたり有効な治療選択肢が乏しく、 質の低いエビデンスに基づいていた。
しかし、 新規抗結核薬の開発と研究資金の増加により、 短期全経口治療レジメンの無作為化比較試験が可能となった。
本研究では、 フルオロキノロン感受性のリファンピシン耐性結核に対し、 9ヵ月間の経口治療レジメンの有効性と安全性を評価。 従来の標準治療と5つの全経口レジメンを比較した。
登録患者は、 以下の5群もしくは標準治療群に割り付けられた。
主要評価項目は、 73週時点での良好な転帰*で、 非劣性マージンは-12%㌽とした。
754例が無作為化され、 699例が修正intention-to-treat 解析に、 562例がper-protocol 解析に含まれた。
修正intention-to-treat解析では、 標準治療群で80.7%の患者が良好な転帰を示した。 修正intention-to-treat集団において、 4つのレジメンが標準治療群と比較して非劣性を示した。 リスク差を以下に示す。
per-protocol集団でも結果は類似していたが、 DCMZ群は非劣性を示さなかった。
これらの解析の結果、 リファンピシン耐性結核の治療において、 BCLLfxZ、 BLMZ、 BDLLfxZの3レジメンが標準治療に対して非劣性であることが支持された。
グレード3以上の有害事象の発生率は、 すべてのレジメンで類似していた。 グレード3以上の肝毒性イベントの発生率は全体で11.7%、 標準治療群で7.1%であった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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