【J Urol】CDDP不適の尿路上皮癌、術前チスレリズマブが有望
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海外ジャーナルクラブ

3ヶ月前

【J Urol】CDDP不適の尿路上皮癌、術前チスレリズマブが有望

【J Urol】CDDP不適の尿路上皮癌、術前チスレリズマブが有望
Huangらは、 シスプラチン (CDDP) 不適格の高リスク尿路上皮癌 (UTUC) 患者に対する術前チスレリズマブ療法の有効性と安全性を単群第II相試験で検討した。 その結果、 病理学的完全奏効 (pCR) 率は20%であり、 主なグレード3/4の治療関連有害事象 (TRAE) は患者の15%に発現した。 試験結果はJournal of Urologyに発表された。 

📘原著論文

A Phase II Study of Tislelizumab as Neoadjuvant Treatment for Cisplatin-Ineligible High Risk Upper Tract Urothelial Carcinoma. J Urol. 2025 Feb 25: 101097JU0000000000004475. Online ahead of print. PMID. 39999445

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

チスレリズマブの術前4サイクル投与を完遂したのが20例中12例しかいない点はlimitationです。

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背景

CDDP不適格のUTUCに対する術前治療は未確立

UTUC患者に対する術前シスプラチン (CDDP) 含有化学療法のpCRは14~19%と報告されている。 しかし、 CDDP不適格患者に適した標準的な術前治療は確立されていない。

この研究では、 抗PD-1抗体チスレリズマブを術前治療として用いた場合の有効性と安全性を評価することを目的とした。

研究デザイン

チスレリズマブを術前投与しpCRを評価

シスプラチン不適格の高リスクUTUC (cT2-T4N0-2M0) 患者20例を対象に、 術前治療としてチスレリズマブ200mgを3週ごとに4サイクル投与した。

主要評価項目にはpCR率、 副次評価項目には病理学的奏効率、 客観的奏効率 (ORR)、 無病生存率 (DFS)、 安全性、 周術期合併症が設定された。

結果

pCR率は20%、 45%がpT1以下と判定

手術を受けた患者は17例であり、 3例は病勢進行または有害事象により手術を断念した。

pCR率は20%で、 患者の45%がpT1以下と判定された。

DFSおよびOSの中央値は未到達であった。

グレード3/4のTRAEは患者の15%に発現した。

結論

チスレリズマブはUTUCのネオアジュバント療法として有望

著者らは「シスプラチン不適格の高リスクUTUC患者で、 術前治療に用いるチスレリズマブは有望な効果を示し、 安全性も管理可能であった」 と報告している。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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