新薬承認情報
5ヶ月前
日本胃癌学会ガイドライン委員会は5月31日、 胃癌治療ガイドライン速報を公開し、 HER2 陰性で治癒切除不能な進行・再発胃癌/胃食道接合部癌の1次治療における抗PD-1抗体ペムブロリズマブについて、 有効性および安全性を検証した第 III 相国際共同二重盲検無作為化比較試験KEYNOTE-859に関するコメントを発表した。
KEYNOTE-859試験の結果を受け、 同委員会は以下2点の観点から、 HER2陰性で治癒切除不能な進行・再発胃癌/胃食道接合部癌に対する1次治療として、 ペムブロリズマブ+化学療法 (CapeOXもしくはFP療法) を推奨すると発表した。
① 同試験において、 化学療法単独に比べ、 ペムブロリズマブ併用療法で有意な全生存期間 (OS) および無増悪生存期間 (PFS) の延長が示されたこと
② 同試験には日本人が含まれており、 国内症例に対するペムブロリズマブ併用の安全性が確認されていること
同試験においては、
との結果が示されている。
そのため、 1次治療開始前にはPD-L1検査およびMSI/MMR判定検査を実施することが望ましいとされた。
HER2陰性かつCLDN18陽性例においてはゾルベツキシマブ併用療法も推奨されているが、 CLDN18陽性に対するゾルベツキシマブと免疫チェックポイント阻害薬の使い分けの指標は確立されておらず、 現時点ではバイオマーカー検査の結果や患者背景などを考慮して1次治療を決定することが望ましいという。
検査の臨床的意義、 方法、 実施タイミングについては、 同学会による切除不能進行・再発胃癌バイオマーカー検査の手引きを参照することとされた。
なお本速報は、 該当する新たな診断・治療法の推奨度はガイドラインが改訂されるまでの暫定として記載されている。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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