海外ジャーナルクラブ
1年前
Drakeらは、 プライマリケアにおいて下部尿路症状 (LUTS) の治療を受けている男性患者を対象に、 情報冊子を活用したケアの有効性をクラスター無作為化比較試験で検討した。 その結果、 情報冊子を用いたケアにより、 患者のLUTSが持続的に改善した。 本研究はBMJ誌において発表された。
本研究の下部尿路症状 (LUTS) は尿の貯留と排泄に関連しており、 「排尿時LUTS」とは、 排尿遅延、 尿量低下、 尿漏れなどの排尿障害を、 「蓄尿性LUTS」 には、 切迫感、 頻尿、 夜間頻尿などが挙げられます。 どうしても介入がわかりにくいので一般化の部分が重要になります。
年齢18歳以上の男性で、 過去5年以内にLUTSでプライマリケア施設を受診し、 最近不快感を伴うLUTSを経験した患者
患者を以下の2群に無作為に割り付けた。
- 介入群 - 通常ケア群
介入群には、 患者と専門家の意見を取り入れて作成した標準化された情報冊子を用いて、 男性のLUTSに対する保存的介入と生活習慣への介入のガイダンスを提供した。
12ヵ月後の患者報告による国際前立腺症状スコア (IPSS) に基づくLUTS
患者報告によるQOL、 LUTSの認知と情緒的な感覚、 泌尿器科への紹介、 有害事象
主要評価項目
補正後のIPSSの改善効果は介入群において有意に良好であった。
調整平均差-1.81点 (95%CI -2.66~-0.95点)
副次評価項目
泌尿器科紹介の割合を除き、 副次評価項目は介入群において有意に優れていた。
患者報告によるQOL (IPSS quality of life score)
失禁 (ICIQ-UI-SF score)
LUTSの認知と情緒的な感覚 (B-IPQ score)
泌尿器科紹介の割合;両群間で同等であった。
有害事象の発生率は両群間で同等であった。
標準化されマニュアル化された情報冊子を用いたプライマリケアにおける介入により、 LUTSの持続的改善が示された。 IPSSの平均差は-1.81点 (95%CI -0.95~-2.66点) であり、 事前に規定した改善目標値である-2.0点には届かなかった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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