【NEJM】電子タバコは禁煙に有効?
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海外ジャーナルクラブ

9ヶ月前

【NEJM】電子タバコは禁煙に有効?

【NEJM】電子タバコは禁煙に有効?
Auer氏らは日常的に5本以上のタバコを吸う18歳以上の禁煙希望者を対象に、 禁煙継続における禁煙カウンセリング+電子タバコの有効性と安全性について非盲検無作為化比較試験で検討した。 その結果、 禁煙カウンセリングに電子タバコの提供を追加することで、 カウンセリング単独に比べて禁煙継続を6ヵ月間延長することが示された。 本研究はNEJM誌において発表された。

📘原著論文

Electronic Nicotine-Delivery Systems for Smoking Cessation. N Engl J Med. 2024 Feb 15;390(7):601-610. PMID: 38354139

👨‍⚕HOKUTO監修医コメント

禁煙の成功率は本研究においても1/4-1/5程度であり、 有効と言われるものをどんどん組み合わせていくしかないと思われます。 1つずつの有効性の評価は当然必要なのですが、 段階的な小出しより全てやる発想も大切かと思います。

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研究の背景

電子タバコは、 禁煙をフォローアップするために一部の禁煙希望者に使われているが、 その効果と安全性に関する科学的根拠は不足している。

研究デザイン

対象

1日5本以上の喫煙を12ヵ月以上継続しており、 登録後3ヵ月以内に禁煙を希望する18歳以上の成人 : 1,246例

介入

参加者を1 : 1の割合で無作為に割り付けた。

  • 介入群 : 622例
標準的な禁煙カウンセリング+電子タバコおよび電子タバコ用リキッドの無料提供。 オプションでのニコチン代替療法
  • 対照群 : 624例
標準的な禁煙カウンセリング+ニコチン代替療法を含む目的に使用できるクーポン券を配布

主要評価項目

生化学的に確認された6ヵ月間の禁煙継続率

副次評価項目

自己申告による6ヵ月時点での禁煙率 (タバコ、 電子タバコ、 ニコチン代替療法を含む)、 呼吸器症状発現割合、 重篤な有害事象発現割合

研究結果

主要評価項目

介入群における6ヵ月間の禁煙継続率は対照群に比べて有意に高かった。

  • 介入群 : 28.9%
  • 対照群 : 16.3%
相対リスク (RR)  1.77(95%CI 1.43-2.20)

副次評価項目

自己申告による6ヵ月時点での禁煙率

介入群ではタバコ使用の自己報告が少なく、 ニコチン使用を完全にやめた参加者の割合は低かったが、 重篤な有害事象の発生率に大きな違いは見られなかった。

6ヵ月後の診察前7日間に禁煙を自己申告した参加者の割合

  • 介入群 : 59.6%
  • 対照群 : 38.5%

ニコチン (タバコ、 電子タバコ、 ニコチン代替療法を含む) 使用を一切控えた参加者の割合

  • 介入群 : 20.1%
  • 対照群 : 33.7%

重篤な有害事象発現割合

  • 介入群 : 4.0%
  • 対照群 : 5.0%

結論

日常的に5本以上のタバコを吸う18歳以上の禁煙希望者に対し、 標準的な禁煙カウンセリングに電子タバコの無料提供を追加することで、 禁煙カウンセリング単独でのフォローアップに比べて喫煙者のタバコ離脱が促進された。

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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