HOKUTO編集部
2ヶ月前

EGFRチロシンキナーゼ阻害薬 (-TKI) 治療後に進行したEGFR変異陽性非小細胞肺癌 (NSCLC) を対象に、 抗TROP2抗体薬物複合体sacituzumab tirumotecan (sac-TMT) の有効性および安全性を、 プラチナ製剤ベースの化学療法と比較評価した第III相無作為化比較試験OptiTROP-Lung04の結果から、 PFSが有意に改善した。 中国・Sun Yat-sen University Cancer CenterのLi Zhang氏が発表した。 同詳細はN Engl J Med. 2025年10月19日オンライン版に同時掲載された¹⁾。
EGFR変異陽性NSCLC患者における標準1次治療は第3世代EGFR-TKIであるが、 獲得耐性後の治療選択肢は限られる。 sac-TMTは、 TROP2を標的とする抗体薬物複合体で、 トポイソメラーゼI阻害薬をペイロードとして搭載する。 EGFR変異陽性NSCLCではTROP2が高発現しており、 EGFR-TKI耐性との関連が示唆されている。
対象は、 第3世代EGFR-TKI治療後、 または第1・2世代EGFR-TKI治療後 (T790M陰性) に病勢進行したstage IIIB/IIICまたはIVのEGFR変異陽性非扁平上皮NSCLC患者だった。
376例が以下の2群に1 : 1で無作為に割り付けられ、 治療は病勢進行・許容できない毒性・患者希望による中止のいずれかが発生するまで継続した。
主要評価項目は、 盲検下独立中央判定 (BICR) による無増悪生存期間 (PFS) だった。
データカットオフ (2025年7月6日) 時点における追跡期間中央値は18.9ヵ月だった。 年齢、 性別などの患者背景は両群で概ねバランスが取れていた。 StageⅣの症例はsac-TMT群で96.8%、 化学療法群で98.4%を占めた。
BICRによるPFS中央値は、 sac-TMT群の8.3ヵ月 (95%CI 6.7-9.9ヵ月) に対し、 化学療法群では4.3ヵ月 (同 4.2-5.5ヵ月) であり、 有意な改善を認めた (HR 0.49 [同 0.39-0.62]、 p<0.0001)。 12ヵ月PFS率はsac-TMT群が32.3%、 化学療法群が7.9%だった。
全生存期間 (OS) 中央値においても、 化学療法群の17.4ヵ月 (同 15.7-20.4ヵ月) に比べて、 sac-TMT群ではNR (95%CI 21.5ヵ月-NE) と有意な改善を認めた (HR 0.60 [同 0.44-0.82]、 p=0.001)。 18ヵ月OS率はそれぞれ65.8%、 48.0%だった。
奏効率 (ORR) はsac-TMT群が60.6%、 化学療法群が43.1%で、 病勢コントロール率はそれぞれ87.2%/80.3%だった。 奏効期間 (DOR) 中央値は8.3ヵ月 (同 6.2-10.0ヵ月) /4.2ヵ月 (同 3.0-4.4ヵ月) だった。
Grade3以上の治療関連有害事象 (TRAE) の発現率は、 sac-TMT群58.0%、 化学療法群53.8%と両群で同程度だった。 重篤なTRAEの発現率は9.0% vs 17.6%と、 sac-TMT群で少なかった。 TRAEによる治療中止率はそれぞれ0%/0.5%のみだった。
最も一般的なTRAEは両群ともに血液毒性で、 薬剤関連の間質性肺疾患/肺臓炎は両群ともに報告されなかった。
Zhang氏は 「本試験の結果から、 sac-TMTがEGFR-TKI耐性を有するEGFR変異陽性NSCLC患者に対する新たな治療選択肢となる可能性を支持する」 と報告した。
¹⁾ N Engl J Med. 2025年10月19日オンライン版
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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