海外ジャーナルクラブ
1ヶ月前
Jangらは、 胃癌を対象に、 胃切除後の胆汁逆流に対する利胆薬ウルソデオキシコール酸 (UDCA) の有効性について、 二重盲検プラセボ対照無作為化比較試験PEGASUS-Dの2次解析で検討した。 その結果、 術後12ヵ月時点で、 UDCA300mg投与群において胆汁逆流症状および胃炎が有意に減少した。 本研究はInt J Surgにて発表された。
胆汁逆流の発生率は術後12ヵ月時点でプラセボ26.7%に対してUDCA 600mgは25%であり、 なかなか解釈の難しい結果となっています。
胃癌患者における胃切除後の胆汁逆流予防に関する研究報告は限られている。 そこで本研究では、 胃切除後胃癌に対する胆汁逆流予防として、 UDCAの有効性および安全性を評価した。
胃切除術を受けた成人胃癌患者521例を、 以下の3群に1 : 1 : 1で無作為に割り付けた。
主要評価項目は、 3ヵ月および12ヵ月時点における胆汁逆流症状、 胆汁逆流の発生率、 胃炎のグレードとした。
3群間で、 胆汁逆流症状の有意差は示されなかった。
胆汁逆流の発生率は、 UDCA群がプラセボ群に比べて少ない傾向にあり、 術後12ヵ月時点において、 300mg群でのみ有意な改善が認められた (OR 0.44、 p=0.0076)。
300mg群では術後12ヵ月時において、 プラセボ群に比べ、 Grade 1~3の胃炎発現率が有意に改善した (OR 0.50、 p=0.0368)。
著者らは 「胃切除後胃癌患者に対するUDCA 300mg投与は、 術後12ヵ月時点における胆汁逆流および胃炎のリスクをそれぞれ約50%有意に減少させる効果が示された」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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