【Int J Surg】胃切除後胃癌の胆汁逆流、ウルソ12ヵ月投与で改善
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海外ジャーナルクラブ

1ヶ月前

【Int J Surg】胃切除後胃癌の胆汁逆流、ウルソ12ヵ月投与で改善

【Int J Surg】胃切除後胃癌の胆汁逆流、ウルソ12ヵ月投与で改善
Jangらは、 胃癌を対象に、 胃切除後の胆汁逆流に対する利胆薬ウルソデオキシコール酸 (UDCA) の有効性について、 二重盲検プラセボ対照無作為化比較試験PEGASUS-Dの2次解析で検討した。 その結果、 術後12ヵ月時点で、 UDCA300mg投与群において胆汁逆流症状および胃炎が有意に減少した。 本研究はInt J Surgにて発表された。 

📘原著論文

Efficacy of ursodeoxycholic acid for bile reflux after distal gastrectomy in patients with gastric cancer: A secondary analysis of the PEGASUS-D randomized clinical trial. Int J Surg. 2024 Oct 18. Online ahead of print. PMID: 39422533.

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

胆汁逆流の発生率は術後12ヵ月時点でプラセボ26.7%に対してUDCA 600mgは25%であり、 なかなか解釈の難しい結果となっています。


背景

胃切除後胃癌の胆汁逆流予防法は未確立

胃癌患者における胃切除後の胆汁逆流予防に関する研究報告は限られている。 そこで本研究では、 胃切除後胃癌に対する胆汁逆流予防として、 UDCAの有効性および安全性を評価した。

研究デザイン

UDCA投与量により胆汁逆流症状・発生率を評価

胃切除術を受けた成人胃癌患者521例を、 以下の3群に1 : 1 : 1で無作為に割り付けた。

  • 300mg群 : 151例
UDCA300mgを52週間毎日投与
  • 600mg群 : 164例
UDCA600mgを52週間毎日投与
  • プラセボ群 : 150例

主要評価項目は、 3ヵ月および12ヵ月時点における胆汁逆流症状、 胆汁逆流の発生率、 胃炎のグレードとした。

結果

胆汁逆流症状に有意差認めずも、 発生率は300mg群で12ヵ月時点のみ改善

3群間で、 胆汁逆流症状の有意差は示されなかった。

胆汁逆流の発生率は、 UDCA群がプラセボ群に比べて少ない傾向にあり、 術後12ヵ月時点において、 300mg群でのみ有意な改善が認められた (OR 0.44、 p=0.0076)。

胃炎は300mg群で12ヵ月時に有意な改善

300mg群では術後12ヵ月時において、 プラセボ群に比べ、 Grade 1~3の胃炎発現率が有意に改善した (OR 0.50、 p=0.0368)。

結論

低用量のUDCA投与が胆汁逆流予防に有効か

著者らは 「胃切除後胃癌患者に対するUDCA 300mg投与は、 術後12ヵ月時点における胆汁逆流および胃炎のリスクをそれぞれ約50%有意に減少させる効果が示された」 と報告した。

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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