海外ジャーナルクラブ
30日前
Zhouらは、 催吐性の高い化学療法を受ける患者を対象に、 Fosrolapitantとパロノセトロン (PALO) の混合製剤 (HR20013) と、 ホスアプレピタント (FAPR) +PALO+デキサメタゾン (DEX) の併用投与の有効性と安全性を比較することを目的として第Ⅲ相無作為化比較試験を実施した。 その結果、 HR20013+DEXがFAPR+PALO+DEXに対して非劣性であることが示された。 本研究は、 J Clin Oncol誌にて発表された。
Limitationの記載のimpactが強いので、 ご紹介します。 "There was a limitation in this study. The study was conducted only in China."
化学療法誘発性悪心・嘔吐 (CINV) は、 患者の治療継続意欲を低下させる重要な副作用である。
HR20013はNK₁受容体と5-HT₃受容体を同時に拮抗する新規制吐薬であり、 既存の治療法に対する非劣性と安全性の確認が求められていた。
対象は、 シスプラチンを用いた高度催吐性化学療法 (HEC) を初めて受ける患者750例であり、 患者は以下の群に無作為に割り付けられた。
主要評価項目は第1サイクル全期間 (0~120時間) の完全奏効 (CR) 率、 副次評価項目は第1サイクル遅発性嘔吐後の期間 (120~168時間) におけるCR率と設定された。
第1サイクル全期間 (0~120時間) のCR率は以下の通りであり、 HR20013+DEX群はFAPR+PALO+DEX群に対し非劣性を示した。
群間差 : -0.9% (95%CI -6.7-5.0、 片側p<0.01)
また、 第1サイクル遅発性嘔吐後の期間におけるCR率も、 HR20013+DEX群で高かった。
両側p = 0.11
第1サイクルおよび試験全体における治療関連有害事象の発現率は以下の通りであり、 いずれもHR20013+DEX群で低かった。
第1サイクル
試験全体
著者らは 「本試験ではHR20013+DEXのFAPR+PALO+DEXに対する非劣性が示され、 忍容性も良好であった。 本研究は、 新規制吐剤HR20013の臨床的有用性を支持し、 CINVが患者の日常生活に与える影響の軽減に寄与する可能性があることを示している」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。