BiTE分子製剤イムデトラが発売 : 小細胞肺癌
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HOKUTO編集部

18日前

BiTE分子製剤イムデトラが発売 : 小細胞肺癌

BiTE分子製剤イムデトラが発売 : 小細胞肺癌
アムジェンは4月16日、  「がん化学療法後に増悪した小細胞肺癌」 を効能・効果とし、 デルタ様リガンド3 (DLL3) を標的とするBiTE® (二重特異性T細胞誘導) 分子製剤であるタルラタマブ (商品名 イムデトラ®点滴静注用1mg・10mg) を発売した旨を同社公式サイトで発表した。

タルラタマブとは

ファースト・イン・クラスの二重特異性T細胞誘導抗体薬

BiTEテクノロジーは、 患者自身のT細胞をいずれかの腫瘍特異抗原に誘導し、 T細胞の細胞傷害能を活性化することで癌細胞を排除するように設計された、 免疫腫瘍療法のプラットフォームである。

タルラタマブは、 このBiTEテクノロジーを用いたファースト・イン・クラスの免疫腫瘍療法であり、 T細胞上のCD3とSCLC細胞上のDLL3の両方に結合することで、 患者自身のT細胞をSCLC細胞の近くに誘導する。 これにより、 免疫シナプスが形成され、 癌細胞が溶解される。 SCLC患者の約85~96%でSCLC細胞の表面にDLL3が発現しており、 正常細胞での発現は極めて少ないことから、 DLL3はSCLC患者にとって有望な治療標的であるとされている。

2024年2月に希少疾病用医薬品に指定

なお、 本剤は2024年2月9日付で厚生労働省より希少疾病用医薬品の指定を受けている。 また、 2024年5月に米国で優先審査 (Priority Review) に基づき規制当局からの承認を取得しており、 2025年4月現在、 カナダ、 ブラジル、 イスラエル、 香港、 英国および台湾でも承認されている。

製品情報

販売名 : イムデトラⓇ点滴静注用1mg・10mg

一般名 : タルラタマブ (遺伝子組換え)

効果又は効能 : がん化学療法後に増悪した小細胞肺癌

効果又は効能に関連する注意 : 本剤の一次治療及び二次治療における有効性及び安全性は確立していない。

用法及び用量 : 通常、 成人にはタルラタマブ (遺伝子組換え) として、 1日目に1mg、 8日目に10mgを1回、 1時間かけて点滴静注する。 15日目以降は1回10mgを1時間かけて2週間間隔で点滴静注する。

製造販売承認日 : 2024年12月27日

薬価 : 1mg1瓶 (輸液安定化液付) : 13万7,100円、 10mg1瓶 (輸液安定化液付) : 132万6,870円

薬価収載日 : 2025年4月16日

発売日 : 2025年4月16日

製造販売 : アムジェン株式会社

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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