海外ジャーナルクラブ
12ヶ月前
Usuiらは、 健康診断で上部消化管内視鏡検査を受け、 胃粘膜の生検標本の採取が行われた人を対象に、 胃粘膜のDNAメチル化が環境因子や生活習慣などの要因とどのように相互に作用し、 原発性胃腫瘍のリスク予測に影響を与えるかを、 縦断的コホート研究で検討した。 その結果、 喫煙、 飲酒などの環境因子やHelicobacter pylori (H. pylori) 陽性などの情報を胃粘膜のDNAメチル化情報に加えることで、 原発性胃腫瘍のリスクを予測する能力が改善されることが示された。 本研究は、 eBioMedicine誌において発表された。
ある企業グループの定期健康診断結果をもとに仮説を検証した日本人研究者グループによる素晴らしい研究成果です。 1/3がフォローアップがないためexcludeされているのはlimitationです。
病原体に曝されることで胃粘膜にDNAメチル化が蓄積する。 しかし環境因子、 DNAメチル化、 および生活習慣などの要因がどのように相互に作用して胃腫瘍のリスクに影響を与えるかは明確ではなかった。
健康診断で上部消化管内視鏡検査を受けた無症状の対象者
期間中に検診を受けていたものの内、 4,234例が条件を満たし、 77例が胃腫瘍を発症した。
多変量調整Coxモデルの解析の結果、 年齢、 飲酒量、 喫煙、 H. pyloriの感染は、 いずれも胃腫瘍発症の独立した危険因子であった。
生検標本におけるDNAメチル化の蓄積は、 その後の胃腫瘍のリスクが高く、 発症までの期間が短いことを予測した。
メチル化のレベルは、 H. pylori陽性、 生活習慣、 胃粘膜の形態学的変化と関連していた。
DNAメチル化は独立した胃腫瘍の独立した危険因子であった。
H. pylori曝露によって開始される発癌性のエピジェネティックな変化は、 好ましくないが修正可能なライフスタイル要因 (喫煙など) によって増幅されていた。
喫煙、 飲酒などの環境因子やH. pylori陽性などの情報をDNAメチル化の情報に加えることで、 原発性胃腫瘍のリスクを予測する能力が改善されることが示された。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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